漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。

【本誌ネタバレ含】キロランケについて語る

今回はキロちゃんのかっこよさやなんやらを語りたいと思います。
ぶっちゃけこんなの何万回と言われてることなんだろうと思いますが(てかこれこのブログ全体に言えることですが)、気にせず語ります(笑)


最初はキロランケニシパと呼ばれて登場したキロちゃん。
アシリパさんの旧知として現れたのに杉元には全く信用されず、インカラマッちゃんにも色々ばらされ、誰もが疑ってるけどなんとなく一体感を持った感じで仲間にいたキロちゃん。
と思ったら見事に杉元を裏切ってアシリパさん連れていっちゃったキロちゃん。
主人公にブッ殺してやるとか言われてるキロちゃん。
日露戦争で工兵だった以前にも実はガチのテロリストだったキロちゃん。

なんか語る要素が多すぎて何から始めていいのやら(笑)
とりあえず今までの発言など集めてキロちゃんの人生年表作ってみました。


年号   推定年齢   出来事

1881年  15歳    国王暗殺テロ
1882年~ 16歳    逃亡生活
            樺太へ南下&ウイルクと知り合う?

            逃亡の末北海道へ。以後アイヌとして潜伏。

1902年   36歳     アイヌ殺戮、ウイルク拿捕 ウイルク葬式
1903年   37歳     刺青囚人脱獄
1904年   38歳     第七師団で工兵として働く(二〇三高地など)
1907年   41歳     ウイルク確認&尾形に殺害指示 →樺太



?と隙間だらけ。(笑)
国王暗殺後、逃げた先が樺太→北海道なのかなと思ってこう書きましたがそれすらわからないという。

とりあえず国王暗殺の兵器が手投げ爆弾だったの、キロちゃんの工兵だった伏線これか!ってなりましたし、アシリパさんの父親の友達として登場したのに、その家族が作中であまりにも杉元たちと関わらないのもキロちゃんがもうあそこには帰らない伏線だったんだなあと合点がいきました。
キロちゃんの心はいつも家族やコタンにはなく、遠い理想を追い求めていたわけですね。


キロちゃんが金塊を狙う理由はずっと一貫して、革命のため、です。
10代半ばで国王暗殺の実行犯になったということは、そんなに幸せな幼少期は過ごしてないだろうなと容易に想像できますね。
元々は馬と暮らす遊牧民族で、自分の村が帝政ロシアに潰されたりしたんでしょうか。

そんな少年期からずっと帝政ロシアという国そのものと戦ってきて、革命を起こそうと必死で、仲間も処刑されたり牢獄に入れられたりで、戦えなくなってきたところやっと見つけた一発逆転の金塊。
これは誰を殺してでも手に入れたかったことでしょう。

ほんとにキロちゃんからしたら、ウイルクこそが裏切り者だというのが痛いほど分かります。
苦境に耐えて待ってる仲間たちのことを思えばウイルクのことは許せないのは痛いほど分かります。
痛いほど分かります、が、多民族の金だし横取りだしそれはどうなの?って感じはします(笑)
いくら北海道アイヌのことも救える手段としての金塊だったとしても。


そんなテロリストキロちゃんですが、
煙草をふかす粋な大人で、馬にかける愛も人一倍で、優しい人かっこいい人なのは随所に見られます。


なるべく無関係な人間は殺さないし(尾形にも、杉元まで撃つ必要あったのか、って問いただしてましたしね)、
アシリパさんの杉元へのほのかな恋心を察して、しかもアシリパさん起きてるってのも察して白石を制したり、
湖で溺れかけた谷垣とインカラマッを「よし頑張った」って言いながら二人いっぺんに助けたり。


何よりも7巻で競馬の騎手になった話。
人間の都合で利用されてる馬を労って、馬の気持ちをくんで、自分が危険な目に遭うのを分かっていて馬と一緒に勝利する。

レースでは光に向かって駆け抜けていったキロちゃん。
あのキラキラしたキロちゃんがきっと彼の本質なんだろうな、と思うし、キロちゃんを象徴していると思うんです。

キロちゃんは社会的弱者への圧倒的な同情心を持ち合わせていますよね。
馬もそうだし、少数民族に対しても。
社会的強者が弱者を虐げる構図には我慢できないんだろうな。
だから競馬レースでの勝利は、自分の乗った馬が勝ったことと社会的弱者の勝利とで、キロちゃんにとっては大きな喜びだったろうなと思うのです。


駆け抜けるキロちゃんの後ろ姿のシーンはなんだか泣けてきます。
うぅ…かっこいいよキロちゃん。


そんなキロちゃんのもう一つの面、普段の物腰とは裏腹な、残酷な面を見ることが最近多くなってきました。
その残酷さは、彼が大きな理想実現のために身近な人たちを犠牲にして生きてきている故なのだと思います。
それは家族を捨てること、アイヌの人たちを殺すこと(これはキロちゃんじゃなかったらごめんなさい)、アシリパさんの父親をアシリパさんの目の前で殺したこと、アシリパさんが恋心を抱いてる杉元と離別させてること(これは不可抗力だったような気はしますが)などに現れています。

革命のためには身近な人間の小さな幸せが犠牲になっても仕方がないと心の底から思ってるのでしょう。
きっとキロちゃんはずっと、自分でもそうやって、小さな幸せなんか捨ててやってきたんだろうなと思います。

キロちゃん、ウイルクが捕まったあと、金塊も見つからないしこのままアイヌとしてのんびり家族と馬と暮らしちゃおうかなとふと思ったこともあったと思うんです。
でもアシリパさんが来てやっぱり金塊が見つかるかもしれないってなると、自分の信念に背くこと、金塊を待ってる仲間を裏切ることはできないって気づいたんだろうな、と。

アシリパさんの杉元への気持ちに気づきながら、アシリパさんに過酷な運命を背負わせようとしているのは、
キロちゃん自身が自分を捨ててきているから、アシリパさんにもそれを求めているんだと思うんですが…アシリパさんに多くを求めすぎだキロちゃん。
12-3歳の女の子なんだから小さな幸せを求めさせてあげてほしい。杉元と一緒にいさせてやってほしい。



なんとなくですが、キロちゃんて最後死ぬと思うんですよね。
アシリパさんでもきっと救えないんじゃないかしら。どうかしら。

でも死ぬとしても絶望の中に死ぬんじゃなくて、あの競馬のシーンみたいに、キラキラした光の中で安らかに眠ってほしい…


…想像しただけでモニターが見えなくなったのでやめますね。


とにかく、キロランケはかっこいいです。(雑な締め方)
正に革命の体現者ですね。




こっからは余談ですが…
キロちゃんと尾形っていつから手を組んでたんでしょ?

もしや第七師団の頃から?と思わなくもないんですがどうなんでしょ?
なんか土方さんが、谷垣とキロランケから尾形の話聞いたとか言ってたけど(13巻)、谷垣はわかるけどキロちゃん別の小隊にいたのに別の小隊の尾形の話そんなする?…とか思ったけど軍はそんなものなのかもしれないからわからないですね。

インカラマッちゃんがキロランケの指紋がどうのこうの言ってた時(12巻)、真っ先にインカラマッに疑いの目を向けさせたのが尾形だったから少なくともその時点ではすでに手を組んでたのかなあとも思います。
「誰かに寝首をかかれるのはごめんだ」って、尾形らしくない台詞言ってたのも(絶対思ってないだろお前、みたいな(笑))キロちゃんから疑いの目をはずすため?とか思ったり思わなかったり。
そもそもキロちゃん、ラッコ鍋の番屋に都合よくきて合流したけども、そんなんできる?みたいな。
尾形と連絡取ってたんじゃね?みたいな。(あーでも尾形そんな細かいことする暇あるかなあ杉元たちと一緒にいて)
深読みすればキリがないですね。楽しい。


おわりますん。



前回キロちゃんについて書いた記事はコチラ↓
mochikuchen.hatenablog.com

キロちゃんvol.2はコチラ↓
mochikuchen.hatenablog.com