漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。(他作品語るブログはじめました→ https://mochimochihq.hateblo.jp/ )

【本誌ネタバレ】169話感想

本誌感想です。



また話が動きましたね~。
尾形=山猫の理由…誰も山猫って呼んでないよな~なんて思ってたら呼ばれてましたね、中々にひどい理由で…。
なんか話が進めば進むほど尾形への同情がすごい…。
尾形が抱える虚無感と淋しさは周りの人たち(読者も)の心をえぐりますね。
本人はなんとも思ってないわけだけども…。
そして今回はそれぞれのキャラクターの個性が色濃く表れている回だったなぁと。



最初から見て行きます。
今回はある程度あらすじ→感想って感じで書きますね。


樺太アイヌの村に滞在している先遣隊。
杉元はアシリパさんと灯台守の娘さん・スヴェトラーナさんを探しています。
ここでは成果がないようで、家の中で全員座って話しています。
そこへエノノカちゃんがチカパシに「メコオヤシ出たって」。メコオヤシとは樺太アイヌの昔話にでてくる化け物とのこと。
月島軍曹は「オオヤマネコだな」と言い、鯉登少尉は「尾形百之助じゃないのか?いよいよ奴らに近づいたか」と。
谷垣と月島さんはこの言葉の意味を察して複雑な顔。
杉元が言葉の意味を聞くと「山猫の子供は山猫」と少尉。続いて軍曹が、山猫は芸者の隠語で、第七師団の一部の連中が言っていたくだらない軽口だ、と説明。
杉元は「本当にくだらねぇな…」と呆れますが、
鯉登少尉は「あの性格だ、嫌ってる人間も少なくない 私も大嫌いだ」「それに「山猫」にはいんちきとか人を化かす意味の隠語もあるのだろう?」「くだらん軽口だがしかし案の定…ではないか」「違うか?杉元」。

メコオヤシがどうなったか、エノノカとチカパシが話します。(ここすごいかわいい)
少尉は「その変な話に教訓があるとすれば……「泥棒猫は撃ち殺せ」だ」と。

とりあえず、ここまでの感想を…


ここまで、先遣隊のキャラクターが色濃くでててもう最高ですね!!
「生まれ」という自分ではどうしようもないことで陰口を言われる尾形に対する感情の違いがでているというか…一人一人見て行きますねもう!!

まず杉元ですが、まず前提として筆者が考える彼の魅力の一つって、「迷い」だと思うんです。
杉元は優しい人だから、こうと決めてもやっぱり迷って方向転換もして、さらに迷って…というすごく人間らしい主人公です。
家族を不幸に失って、村の人からは村八分にされ、戦争に行って親友を失い…見つけた光であるアシリパさんは、今ここで言う「泥棒猫」にさらわれているわけですが…
でも、杉元も自分ではどうしようもないことで差別される経験を持っているから、その泥棒猫に対してもある種の同情心とか相通ずるものを感じている。
もっと言えば頭を撃たれた時に尾形を感じている時点で、杉元ってやっぱり尾形と通じるものがあったんだろうな…という感じがしていますね。
網走では尾形をぶっ殺してやるって言ってましたが、やっぱりここでまだ迷いが生まれている。
というか元々多分ずっと迷っているのが明るみに出たのかなあという気がします。
だから鯉登少尉に「違うか?杉元」と言われて肯定も否定もしなかった。

次に軍曹。
軍曹も生まれが不幸だから、やっぱり尾形には少し同情する部分もあるのだろうなという表情。
でもその感情って任務遂行には邪魔なものだから、この表情をしているのではなかろうかと。
8巻で尾形は軍曹を「屈強な兵士」だと評価していましたし、軍曹も尾形の実力を純粋に評価していました。
恐らく軍曹は尾形の生まれや性格どうこうを排除して、ただ純粋に尾形の実力を見ていると思います。
というか軍曹って、人の能力を見据える目がスバ抜けてますよね。
感情を殺している故か、自分の感情や周りの評価なんか一切排除して人を見ることができる人。
人を見る目が卓越してるのは鶴見中尉もですが、中尉の場合は自分にとって使えるか否かっていう物差しがあります。
軍曹の場合はそれがなく、一対一で物事を考えられる人だなぁと。
生まれでどうのこうの言う連中のことを下らないと一蹴する程には廉潔で、上官に忠実で、純粋に人を見る目がある有能な軍人…これは鶴見中尉に見いだされた理由がわかります。
ただ…尾形を「本部の飼い猫」と罵倒していたなと思い返すと、軍曹もやはり尾形が造反したことに対して失望と怒りを感じていたと思います。
この辺は芯まで組織に属する軍人だな軍曹。
てかこれは完全に憶測ですが、前山さんを殺されたのも大きいのかもとか思ったり思わなかったり…。
軍曹と前山さんて103話の勇作さん回想でも一緒にいるから付き合い長いんだろうし。
戦友を殺されたのは軍曹にとっては怒りの理由として一番大きいのかも。

さて次は谷垣です。
彼は生まれは不幸ではないですし、尾形のことも好きではないでしょうが、杉元とは別のベクトルで優しい人だから、山猫の話が出たとき困ってましたね。
谷垣は根が純粋だから、人を蔑むことはよしとしない。
そして谷垣は師団時代も尾形への軽口には参加してなかっただろうと確信できる理由のもう一つが尾形への評価の高さにあって、その評価の高さは谷垣のマタギという性質からくるものなのかなと思っています。
スナイパーって当時の軍では卑怯者として嫌われていたんですね。正々堂々勇作さんみたいに前線で突っ込んでいくのが勇敢だと思われていた。
でも谷垣はマタギだから、尾形のスナイパーとしての実力が一流だと分かっていて、そして尾形を(軍曹とはまた別のベクトルの)尊敬や憧れという感情でもって評価しているんじゃなかろうかと思うのです。
尾形って軍では谷垣のこと可愛がってただろうなと思うんですが(谷垣にとっては嫌な可愛がられ方ですが)、背景は谷垣の純粋さと人を悪く言わない優しさがあると思いました。
てかおそらく谷垣はどんな人からも好かれていただろうなって気がしますね。

さてさて、この話を始めた鯉登音之進。
彼が他の三人と違って尾形への同情心が微塵もないのは、生粋の軍人であり経験不足の若い将校だからということに尽きると思うのです。
まず、少尉は尾形の生まれについては特になんとも思っていないと思います。
というか、それがどんなことなのか想像もできないだろうなと思います。なにせ愛されて育った坊ちゃんだから。(だから感情のままに尾形本人いないとこで何も知らない杉元の前で山猫の話しちゃう。)
加えて、生まれを蔑む軽口も下らないと思っていると思います。
生まれに同情もしないけど、軽口に賛同もしない。
むしろ鯉登少尉が問題にしているのは、尾形の性格ですね。「私も大嫌いだ」言ってますものね。

少尉は自分ではどうしようもできないことで蔑まれたり差別されることに関して、想像できないからこそ、言われる側はその性格を改めろとすら思っているのではないでしょうか。
屈強で清廉潔白の兵士であれば、生まれの良し悪しで蔑む者もいなくなる。むしろ軽口言われるのは尾形の性格に問題があるからだ、くらいに思ってる感じがしますね…。
尾形は所謂「いやな奴」だと思います。「なりモスから」とか元上官に対して言っちゃうところを見ると、おそらく軍にいたころからその無礼さと人を馬鹿にした態度は、透けて見えていたんじゃないだろうかと。
それは軍人として礼儀礼節を知らない奴だと、少尉には見えたでしょう。
そして尾形は鶴見中尉に見いだされたにも拘らず簡単に裏切り、あっちこっちふらふらしているようにも見えるのでしょう。
少尉にはそれが気に食わない。なぜなら鯉登少尉は将校であり、生粋の軍人だから。
組織や上官に対する尊敬の心を持たず、ましてや上官を裏切るなんて許せない。
(飛行船の上で「尾形百之助貴様…」のあと「鶴見中尉殿~」言ってますしね。その先は読めませんが恐らく裏切る云々じゃないかと。ここはアニメ待ちですね。)
それだけならまだしも共に行動していた杉元たちをも裏切ったことから、案の定人を化かす山猫=色事で簡単に転ぶ芸者のようだ、と皮肉たっぷりに言ってるのですね。(少尉結構性格悪くてすごい口悪いからね)

だから少尉に尾形への同情心はかけらもなくむしろ敵対心しかないのは、少尉は真っ直ぐで、想像力も欠けてて、感情で動く若者だからでしょう。(先々週も感情で杉元たちを心配してましたし。)
何の疑いもなく泥棒猫は撃ち殺せと言えるのは、少尉が純粋で単純明快な経験の浅い青年将校だからだと筆者は思います。


さて、急に話は変わりますが、尾形のような者への同情心は果たして将校として必要な能力なんでしょうか。
鯉登パパが樺太へ音之進を送り出したのは、指揮官として成長してほしいからなわけですが、パパは他者への同情心を身に着けてほしいと思っているのでしょうか。
おそらく答えはYESに近いNOじゃないかと思います。
任務の遂行に人間の感情はいらないっていうのは月島軍曹を見ていてわかることなんですが、指揮官はある程度部下への思いやりを持つ必要がある。
生まれや血で蔑まれるという本人にはどうしようもできないことへの理解はある程度必要だと思うのです。
だから、音之進は軍人としては間違ってないし真っ直ぐそのままでいいんだけど、もう少し想像力を鍛えてほしいな。とパパが思っていたら最高ですね。
戦争行きたかったとか平気で言っちゃう考えなしのままではいかんですし。
勇作さんもそうでしたが、やっぱ仕官学校出の温室育ちは想像力が欠けちゃうんですかね。
きっとパパはそこを危惧して樺太へ送り出したんだろな。
広い世界を見るというのは想像力を鍛えることでもありますし。

鯉登パパは鶴見中尉ですら音之進の成長の糧としてると思いますが、ほんとに音之進への期待が大きいですね。
キロランケが、この樺太の旅がアシリパを成長させるとか言ってましたが、鯉登パパも、この樺太の旅が音之進を成長させると思っていますよね。
だから、尾形に対する音之進の考え方や感情が、この樺太旅で変化するのかしないのか、するならどう変化するのかも今後の見どころの一つになるんじゃないでしょうか。
それこそ音之進の成長が可視化される瞬間ですね。描かれるかはわかりませんが、楽しみにしております。

しつこいくらいに言ってますが、やっぱり音之進はこれからの人。
アシリパさんと対になる存在で、光になる存在なのですね。
日露戦争に行ってない、新しい世代だからね


…長くなりました。さて続きを。


キロチームに場面が移行します。
アシリパさんメエコッ(猫)に似ている足跡を見つける。この足跡がメコオヤシかと驚くアシリパさん。
アチャに昔話として語られたんですね。(チカパシもアシリパさんもメコオヤシがタバコ入れを食べたかどうかすごく気にするのはなぜなのでしょう。タバコは食べないってのは暗喩?)
また初めて聞くアチャの話にアシリパさんは嬉しそう。
そんなアシリパさんにキロちゃんは、亜港監獄にウイルクをもっと知っている人がいると紹介。
証拠がないため処刑されずに幽閉されている。皇帝暗殺の首謀者、ソフィア・ゴールデンハンド。
で、亜港監獄へいくことになった一行。

そんな話をする一行と少し離れて尾形。
メコオヤシこと山猫を見つけます。
撃とうとしたのか銃をおろしますが、アシリパさんに話しかけられた次の瞬間にはもう山猫はいなくなっていました。
尾形は無言で、山猫とは違う方向へ、ほかの三人のいる方向へ歩みを進めます。
アオリは「我が山道を往け。堂々と。」
今週はここでおわり。


皇帝暗殺の首謀者ビッグ・マム(ソフィアさん)も登場し、いよいよ目的地である亜港監獄へいくことになりましたね。
山田団長の読み通り。さすが情報将校である。
そしてさすがといえばキロちゃん、さすがの話術で巧みに監獄へ先導しました。すばらしい。


尾形に関してはラストシーンにすべて持っていかれましたね。
山猫と別の道を行く。
これは人を化かす山猫(=かつての自分)との別離を意味しているのでしょうか。
ということは、尾形がこのチームで行動しているのは、自分の役目を見つけたからなのでしょうか。

尾形、今回はずっと無言なのが孤高のスナイパー感があるというか尾形らしいなというか。
我が山道…そうですよね。彼はずっと山道を歩いてきたわ。

尾形が軍で嫌われていたのは性格も大きいけれど、スナイパーとしての能力がズバ抜けていたこと、おそらくその能力でもって若くして上等兵になったであろうこと、師団長の隠し子であり妾の子であるということも大きいのではないかと筆者は思っています。性格だけでなく妬み嫉みも多少なりあったと思うんです。(上官であり能力もずば抜けてる鯉登少尉は妬む必要ないから単純に性格が嫌いなんだろうけど。)
そんなの、尾形にとって軍はさぞかし息苦しかっただろうなと思います。
「山猫」も「スナイパー」も悪口とも取れるわけですからね。
軍において尾形が人間として認められていたことはあったのだろうか。なかっただろうな…。それでは軍になんの未練もないですよね。脱走した時の解放感たるや…!ですよね。


杉元たちとの旅、あれが尾形の素だったらいいな…。
とりあえず尾形のこと考えると、泣ける。



今週はちょっと真面目な感想だったので最後に感情のまま頭悪い一言感想を。


「大嫌いだ」って言ってる鯉登少尉の口、かわいい。かわいすぎて五度見した。なんなんだお前。そしてスチェンカ編で見られた口悪い単純少尉が見れてちょっと嬉しい。
タバコ入れ食べる食べないのはなししてるエノノカチカパシ、すげーかわいい。こわい…←かわいい。かわいい!!!
げんじろちゃんはほんとうにいいこ。
ヘンケって鯉登パパに似てる(笑)
てか月島さんそろそろ鯉登少尉に辟易してない?大丈夫か軍曹、目が死んでる。

尾形は我が道を行け。応援しとるぞ。



おわります。

【本誌ネタバレ含】鯉登音之進という男vol.2~自顕流について

鯉登少尉について語る第二弾です。
今回は音之進が会得している薩摩の自顕流について、彼が会得してるのはこんな剣法ですよ~というお話。
筆者に音之進語らせたらかっこいいかわいいしか言わなくなるのでね、少しでも内容のあるブログにするためにはもうこれしか…!


10巻で尾形に「自顕流を使うぞ!」ってばらされた音之進。
自顕流は、近藤勇をして初太刀は外せって言われてたとんでもない流派と紹介されています。
ものすごい気迫で杉元に斬りかかったところ、なにこの人怖いと思いましたよね。思いました。かっこよかった。
あの気迫には理由があるのです!


ここから音之進関係ない剣術語りなので飛ばしやすいようにキリトリ線つけときますね。

ーーーーーーキリトリーーーーーーーーー

よくじげんりゅうと聞くと示現流(東郷示現流)がでてきますね。
でも、わたしたちのよく知る薩摩の剣法はほとんど鯉登少尉の野太刀(薬丸)自顕流のことなのだそうです。
自顕流は主に幕末に名を馳せた剣法なんですが、幕末の人斬り半次郎も、生麦事件で外国人を切った人も、西郷従道西郷どんの弟)も、みんな自顕流の使い手です。

自顕流と示現流は成り立ちも、会得していた人の階級も違います。
自顕流は、どちらかと言うと郷士と呼ばれる下級武士の剣法で成り立ちは古く、平安期からひっそり伝えられていたものです。
対して示現流は城下剣法で、薩摩藩公認の藩外不出の御留流。つまり身分の高い人の憲法で、江戸時代に完成されたものです。

色々違うのにごっちゃにされてるのには理由があって、示現流は元々自顕流と名乗っていて、自顕流は元々は野太刀流と名乗っていたそうです。でも示現流示現流に改名したので、野太刀流が自顕流って改名したとかなんとか。ややこしい。
あとは江戸時代の一時期、自顕流の者が示現流の門弟になったりと…
両者は同じ薩摩において複雑に絡み合いながら存在しているものなのですね。

ということで、ここでは鯉登少尉の自顕流について語っていきます。
まずは稽古から。

幕末当時、他流派の道場では、剣術もさることながら門下生の人間性を成長させる要素も大きかったようで、稽古では最初と最後に礼をし、現代の剣道のように相手と対面して行います。
しかし自顕流は稽古でも実際の敵と相対した時の心境になることを求められるため、基本的に一人稽古。
木刀を持って相対するということは=死を意味する、という稽古からして実戦向け。防具はもちろんありません。
猿叫をあげながら朝夕木刀を何千回と素振りをするらしく、大変な精神力と気力が求められます。
そして人目を避けて稽古するようにならなければ本物ではないと言われているのだとか。(見られたら「見せもんじゃなか!」と怒るとか)

構えは、刀を頭上に構える守る気一切ない構え方。
初太刀にすべての気迫を込めて降り下ろす一撃必殺の剣法です。
そして地軸の底まで降り下ろせという教え。

薩摩の初太刀ははずせ、でおなじみの近藤勇の流派は天然理心流というものですが、この天然理心流だって木刀三本持って稽古する力勝負の流派で、蹴りや目潰しもやる実戦特化型。(土方おじいちゃんも永倉おじいちゃんもこの流派の使い手です。)
幕末において、そんな天然理心流の使い手をも恐れさせたのが自顕流なわけです。
凄いですね。

ーーーーーーーーキリトリーーーーーーーー

と、剣術語りはここまで。
話を音之進にシフトします。

上記のように凄まじい精神力を要する自顕流、それを抜き様に首切れるほどの使い手になるって、音之進は相当過酷な稽古を積んだんだろうなと推測できます。(一閃必殺の「抜き」は自顕流の技の一つです。)

自顕流は並大抵の努力では会得できない剣術です。
音之進は身体能力が半端ないから元々器用な天才型ではあると思うんだけど、それでも血のにじむような努力をしたんだろうなと。
一人で黙々と稽古していたんだろうなと。
そしてきっと音之進はそれをなんとも思ってないというか、当たり前だと思ってきたんじゃないかなと思ってます。
なにせ薩摩隼人ですからね。
男らしすぎるよ音之進。

筆者、音之進の単純で精神年齢ひっく!ってとこすごく好きなんですが(樺太で杉元にワインかけるところがかわいくていいよね。ベベッつって。)、
自顕流を知れば知るほど、本当に音之進はその子どもっぽさと裏腹に、やる時はやる気迫と覚悟を持ち合わせている鋼の精神力の持ち主なんだなぁと思うわけです。
音之進はその二面性が魅力ですね。
努力家な音之進、素晴らしいね!


というわけで、鯉登少尉の周辺環境を語るシリーズ、今回は自顕流でした。
あー書いてて楽しいこのシリーズ…(笑)
読んでて楽しいですか?楽しくはなさそうだな…どこまでも俺得な感じですみませぬ。


今回は参考文献つけときます。他にもホームページや色々新選組関連の本や色々寄せ集めの知識ではありますがそこはまあ割愛いたしまする。
とてもおもしろい本でした。
・島津.義秀『薩摩の秘剣 野太刀.自顕流』新潮社、2005年。


音之進シリーズ第1弾はコチラ↓
mochikuchen.hatenablog.com

【御礼】ありがとうございます!【30000PV】

こんな内容のうっすいブログがなんとあっという間に30000PVいただきました!!!
わーいわーい♪♪
ありがとうございます。

礼記事、20000PV跳ばして30000かい…すみません…

6月、7月共に一ヶ月のPV数が12000前後でした。特に6月は単行本14巻発売付近がめちゃめちゃPV数が多くてチキンなわたしはびびりました(笑)
でも嬉しい…ヒンッ!!


さてさて、このブログは最近どんな記事が見られているのかな~とちょっと見てみると、
相変わらずの尾形の目的考察…すいません全然当たってる気のしない考察なのにすいません…。
勇作さんショック(笑)の頃は鯉登親子の記事と、尾形が勇作さんのこと好きだよねみたいなこと書いた記事も人気でした。勇作さんって検索していらっしゃっていたみたいなんですが勇作さんのことあんまり書いてないのにすいません。
尾形と勇作さんについてはまだまだ謎が深いので今後何かしら書いていきたいと思っております。

あと最近の傾向としては鯉登少尉と月島軍曹の記事がじわじわアクセス数を上げてきてるような…。
二人の人気が単純に上がってきているのではないかな~と思いつつ、このブログが二人のことを知る一助になるならこんな嬉しいことはないですね。みんなで愛そう少尉と軍曹。

そして、最近は特に特に開拓の村巡礼記事が見られているようです。夏休みでみなさん北海道に遊びにいらしてるんでしょうか。いい季節ですよ~そんなに暑くないし。おいでませ北海道!!!
やはりこのブログが聖地巡礼の一助となっているのは嬉しい限りです♪北海道に住んでてよかった。ご先祖に感謝。(ご先祖といえば筆者のご先祖は新潟からの入植者です。一般入植だから屯田兵でもないし第七師団でもないけど新潟ってだけでちょっとした自慢。(笑))


今後の予定として、今書きかけの記事は
・鯉登音之進という男vol.2,3
・江渡貝くんについて
・二階堂について
でございます。あれ、前回のお礼記事では鶴見中尉書くとか言うてたよな…。いや、なんか鶴見中尉はわたしなぞでは書けない気がしてきたので…(チキン)
あとスチェンカと、サーカスと主人公杉元のことも語りたいですね!

そんな感じでキャラ語りを細々と続けつつ本誌感想や聖地巡礼などなど相変わらず雑多な感じでやっていきます。
カネ餅も作ってみたいなぁ。


というわけで、30000pvありがとうございましたm(__)m


もち2号

【本誌ネタバレ】168話感想

168話感想です。
先週よりももっと気持ち悪いテンションです。お気をつけて(?)







きました男子校ノリ!!!!
ばかだーーーーー(爆笑)


もう、扉絵からすごい笑った。
「鶴」て…どんだけ恋しいんだしかも字うま(笑)
そしてアオリ(笑)
GLAYのwinter againかな?
GLAY好き筆者歓喜な音之進とGLAYのコラボ。
ちょっと違うしてかつるーになってるけど(笑)


本編。
灯台の説明。
へえー!!!(知識が無さすぎてへえーとしか言えない…)

凍えながら灯台に入ってくる杉元谷垣チカパシ。
よかったね助かった!!!

鯉登少尉はお茶を飲んでお茶菓子を食べてる。スーシュカ。
…いやいや、先週までウロウロしてめちゃくちゃ心配してたじゃん!!!
そのウロウロが結果的に杉元たちを救ったんじゃん。君は!意図せずして!杉元を救う存在なんだよ!!
…なのに全然心配なんかしてませんでしたよ~みたいな顔してお上品にティーしばきやがって「お茶うけにとても合う!!」じゃないよ突然の食レポしやがってなんだそのカップ持つ手はなんだその小指はこのやろうかわいすぎるぞ鯉登少尉!!

ペチカの上に寿司詰めな三人。
「ふふ…虫みたい」
ちょっとーだからそういうところだぞ鯉登てかなにその口調かわいい。育ちのお上品さがここで…?
あの軍人口調は無理していたんだね…ほんとはぽやぽやした坊っちゃんな感じ。かわいい。
まああれだね、心配してたから安心して軽口言えるようになったんだけど…でもほんといらんこと言うわ~この人は。

軍曹「お前ら命拾いしたな」
いやいやてゆか軍曹が助けたんだよ!!!外で小銃撃ち続けてたから灯台守のおじさんがただ事ではないと察してくれたしロシア語できるから杉元たちの危機を伝えられたし灯りを掃除したのも軍曹だし軍曹だよ助けたの!!!!
も~ほんと仕事人だわ~軍曹。


……ちょっとほんと落ち着きますね。


日露戦争から使ってない灯台
ほんとに灯台守は優しい。

吹雪もやんで、橇を直すヘンケ。
早い。職人だ!「さすがヘンケだぜ!」と杉元。
そしてリュウが道を間違っていなかったことを谷垣は分かってる。
よかったねリュウ
杉元はリュウをわしわしして「疑ってごめんな」「お前なら立派な橇犬にもなれるだろうよ」と。
橇犬にライバル心を燃やすリュウ樺太来たばかりの時は憧れだったのにね。リュウも成長してる。

この一連、杉元の良さがよく出てる。
ヘンケに対してもリュウに対しても、素直に他人を尊敬するところ、杉元の素晴らしい長所ですよね。
相手が多民族だろうと動物だろうと敵対してる相手だろうと関係なく他者を尊敬できるって素晴らしいよね。
アシリパさんとの旅もそうやって始まったんだよなぁ…。


そしてまた「月島ぁ!」
金槌が手にくっついた…ばかだ…心底ばかだ…しかも絶対手伝おうとした訳じゃなくて触ってみただけとかでこうなってる…いらんことしてる(笑)
でも鯉登少尉薩摩出身だけど一冬か二冬北海道で過ごしてるよね?
そういう経験ないのか。いつも手袋してたのかな。

軍曹もあきれている。「小便かけて溶かしてやれ」
で、杉元が「俺…出るぜ 手ぇ出しな」。
すごい逃げる鯉登、追いかける杉元。しかも外へ行くっていう。
すごい…すごいこのノリすごい笑える。
ばかだーーーーー!!(笑)
何おいかけっこしとんねん。しかも杉元は金○出してるわけだよね。
この二人はほんと若さ溢れるバカさが滲んでていいよね。
金槌は結局普通にキッチンで温めてとったようです。(笑)


ペリメニ作るちび二人。かわいい。
ペリメニはまじおいしいですよ。まじで!筆者ポーランド行った時4日間で7回食べました。こう…皮が厚めでもちもちぷりぷりに食べ応えあって、中のお肉やちーずが温かくてジューシーとろとろで。(突然の食レポ)
ボルシチも美味しそう…。

てか杉元がご飯食べておいしい言ってるの久しぶりだ~!!
食卓のシーンほっとするな。

この食卓囲んでるときのみんなの服装も個性が出てていいよね。
杉元が着物、谷垣がシャツ、鯉登が軍服できっちりボタン留めてて、軍曹はボタン外してる。
前者二人は普通の若者、でも杉元は軍帽をはずせないからまだ心は闘っていて、谷垣は軍服からも軍帽からも解放されて新しい自分の役目を見つけて動いてる。
後者二人は軍人なんだけど、鯉登はやっぱり芯から軍人で身も心も捧げてて少しも疑ってないのに対して軍曹は少しだけやっぱり懐疑心があるのかな。
…なーんて、こじつけ感。
軍服のボタンに関してはただ寒いのに得手不得手の差なだけじゃね?って感じもしますね。


そして灯台守夫婦の悲しい過去。
娘をロシア脱走兵に連れ去られた。
日露戦争後、政府から灯台を爆破しろと言われたけど、娘を待つためにそのままにしている。
もう使われなくなったけど、灯台はここでひっそり娘さんの帰りを夫婦と共に待っていると。
そんな悲しい灯台が命の灯をともしたのが杉元たちだったと。

…これは運命を感じる。
灯台守の優しさの理由はこの悲しい過去にも起因していたのですね。
きっと杉元が娘さんを見つけてくれるはずだよ!!

その話を聞いたときの全員の顔がまたいい。エノノカちゃんかわいい。
軍曹、若い女性が悲しい目に合って両親が辛い思いしているのがやはりいご草ちゃんと、自分の悲しい過去と重なるのだろうか…
軍曹の心は未だにあのつらい過去が占めているのだな。

…と思ったんですけど、もしかして軍曹なんか知ってたりして。当時ロシアにいたわけだし、鶴見中尉関係でなんかあるのかな。
それか当時のロシアの情勢から、その娘さんはもう生きてないだろうと思ったとか。
…軍曹のこの表情ほんと深すぎて深読みしちゃいます。


杉元は娘さんの写真をもらって、娘さんを探す約束をする。
軍曹は「おい杉元」って少し怪訝な感じ。でも杉元はお世話になったから探すという…
写真たてには代わりに自分の写真を入れておいたからアシリパさんが来たら「杉元佐一は生きてる」と伝えてくれと頼む。

一行は橇で出発。

残された灯台守の家には杉元の写真なんだけど…
それがもう…「………。」みたいな(笑)
すごい変顔。いつ撮ったの(笑)
灯台守夫婦の顔ももうなんとも言えないてかこの写真を飾らなきゃいけない夫婦の気持ち(笑)
あーもう声だして笑いました(笑)


今週はここまで。


いや~色々な意味で濃い~話でした。
楽しかった。


にしても灯台守の娘さんは…どうやって連れ去られたのだろう。拉致?脱走兵なら軍とはもう関係ないし…なんの目的?駆け落ち?
娘さんと、この夫婦と灯台は今後何かの鍵になりそうです。


にしても(2回目)行く先々で杉元は自分の痕跡を残していってるけどアシリパさんたちは全然先に行ってるから、これは別の誰かへのヒントになるのかなぁと思うのですがどうなんでしょうか。

中尉?いやいや中尉ならバーっと船か飛行機で登場でしょ。(希望)
土方さん?そういえば土方さんたちはいま何をしているのかしら。そろそろ会いたい。来週あたりくるかなあ?(希望)
まだ先遣隊を見ていたい気もするけど。(希望)

考えてもわからないのでまあよしとする。


というわけで、週を追うごとに気持ち悪くなっていく本誌感想でした。
ほんと、見る価値ないのに見てくださってる方々には感謝しかない。

小樽でゴールデンカムイ巡り

小樽いってきました!!
今回も無理しない旅なので行けてない所も多々あります…今回は5ヵ所。



【旧日本郵船

1巻で小樽の街解説の時に登場する建物。
明治の風格のある建物でとても素敵。

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右)ゴールデンカムイ1巻第3話「罠」より


【旧名取高三郎商店】

…の屋根部分。中尉が銃を撃って二階堂兄弟を止めるところの背景になっています。
作中では反転しているので写真も反転させてみました。

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右)ゴールデンカムイ2巻第16話「死神」より


【小樽新倉屋のお団子】

ふじみふじみ…ってやつですね。

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右)ゴールデンカムイ2巻第16話「死神」より

筆者は全然みたらし好きじゃなかったんですがこのお団子食べて人生変わった。
人生No.1みたらし。さすが中尉。
地元の方が「ここのお団子は本当においしいわよね~」って言ってたのでやっぱり古くから地元の方に愛されている模様。
お大福や他のお団子もヒンナでしたよ!!


【旧百十三銀行小樽支店】

土方おじいちゃんが銀行強盗に入って和泉守兼定を奪還した銀行のモデルです。
現在はお土産物屋さんでガラス製品とか売ってました。

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右)ゴールデンカムイ4巻第34話「接触」より

ものすっごくテンションあがります。ほんとまんまですよ!!

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右)ゴールデンカムイ4巻第34話「接触」より

かっこよすぎ…!!!
(このどっちがラスボス?みたいな二人が顔合わせたのってこの時が最初でこれ以来ないですよね。再びの接触が超楽しみ。)


【鰊御殿】

5巻で辺見ちゃんが杉元の手を引いて入っていった鰊御殿です。

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右)ゴールデンカムイ5巻第40話「ニシン御殿」より

内装はこの建物とこの御殿の近くにある青山別邸を合わせたものです。(今回青山別邸は訪問してません…)

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右)ゴールデンカムイ5巻第40話「ニシン御殿」より


というわけで今回は以上でした。
…本当は6か所行ったんです…4巻で中尉が武器買い付けた所。
でも写真を失敗したので今回は掲載しませんでした…悔しい。あの中尉すごくかっこいいのにね!!

さて、小樽ですが、美味しいお寿司ありの美味しい北海道スイーツのお店が立ち並びの、ガラス製品もたくさんありので、本当に退屈しない街です。
筆者は道外から遊びに来る友達には必ず小樽オススメしています。
札幌から車でも電車でも一時間弱、結構近いです。
ゴールデンカムイ巡りしたいけど同行者がゴールデンカムイ好きじゃなくて…という人にはピッタリの街です。(笑)

今回巡るにあたってはこちらのHPを参考にさせていただきました!!↓ありがとうございました。
徹底解剖!ゴールデンカムイに登場する小樽の風景を解説するよ! | 小樽総合デザイン事務局|ホームページ制作・デザイン・LINEスタンプ制作



【おまけ・支笏湖

のっぺら坊が捕まった湖です。

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右)ゴールデンカムイ4巻第31話「二〇三高地」より

最北の不凍湖だそうです。そして透明度が高い。とてもきれいな湖ですよ。
支笏湖は温泉も良いのでのんびり一泊するのも楽しいです。


というわけで聖地巡礼でした~。
次は樺戸監獄いってきます。

【本誌ネタバレ】167話感想

2週間ぶりの本誌感想です。
すごいテンションです、ご注意をば。

















少尉ーーーーーーー!!!!!!
ちょっとおまえほんとにかわいいがすぎるぞなんなんだおまえかわいいがすぎるぞ!!!!!!

うろちょろしないでください。


そんなにウロウロしてそんなに心配なのかよ杉元とフレップかけあって殴り合ってたのに。
谷垣のこと牝牛のように太りおってからにとか言ってたのに。
片腹痛いわ!言っていたのに。
フェイク刀を軍刀に変えてたのに!!!

…なんか鯉登少尉が一番素直な感情でもって動いてるなぁ。
一人でふらふらしちゃうのも犬橇契約しちゃうのも、そして今回のうろうろも。
杉元たちを純粋に心配してる部分も軍曹に比べて大きいような…だからうろちょろしてるし。真顔で。(笑)



…さて、最初から見ていきます。


扉絵。
吹雪の音かと思いきやタイトル(笑)そして井上陽水(笑)こおりのせかいぃぃ~~♪
おもしろすぎる!!!


本編。
地面を掘る杉元と谷垣。
地面がガッチガチに凍ってて風よけも掘れない。
やばいと思ったらすぐ行動する二人めっちゃかっこいいですね。

月島軍曹はなんとか杉元たちが追いつかないか待ってるけど、鯉登少尉が「このままでは我々も危険だぞ」とのこと。
月島組は建物の方へ。


ここでマタギ先生によるマタギ知識。
月島さんも認めて信頼しとるマタギ知識。すげぇ。
これは鶴見中尉も「私にはお前が必要だ」って言うわ!
北海道において寒冷地に強い兵士ってとんでもなく重宝するもんね。
鶴見中尉は誰彼構わずたらしこんでるわけじゃないのだな。
人見る目すごいな中尉。


軍曹たちは小屋にたどり着く。小屋の中も寒そうだね。
「杉元たちはどうする?」
少尉は心配している。
少尉は心配している!!!

実はヘンケが真っ先に薪集めてるところやっぱ土地に慣れてる感。


そして…
そして……


「け…」

カネ餅!!!!
カネ餅いぃぃぃぃ!!!!!

大活躍カネ餅。
ここで再登場カネ餅。
カネ餅は本当にあらゆる人の命を心を救っている。
それがマタギの常備食。そういうものなんだろうな。山で命を取って生きる過酷さと共にあるカネ餅。

杉元、カネ餅をどこかで食べたようだと…
食べたよ!!!!食べたんだよ!!!!
け…だよ杉元、け…だよ!!思い出してほら秋田出身の同じ隊の人いたでしょ?!!(うるさい)

でもこれ、思い出さないのがまた一興よね。

そして谷垣と杉元のお互いの命の助け合いもこれまた素敵よね。

日露(カネ餅)にて谷垣が杉元を助ける(谷垣→杉元)

マッポにやられた谷垣をコタンに連れていって助ける(杉元(+アシリパ)→谷垣)

釧路で囚われの子熊ちゃんとなった谷垣を助ける(杉元(+アシリパ尾形)→谷垣)

網走で撃たれた杉元を助ける(谷垣→杉元)

樺太マタギ知識とカネ餅にて杉元を助ける(谷垣→杉元)←new!


いやあ素敵。この二人はほんとに素敵。
お互いに命を助け合ってる二人。


そうこうしている間にも銃声は聞こえ続ける。

撃ち続けているのはもちろん軍曹。
寒いのに、軍曹は小屋の外で撃ち続けてるんだよね。
寒いのに、少尉は(正直なんの役にも立たないのに)一緒に外にいるんだよね。
やさしい…

小屋の住人がきてどうしたんだ?と声をかける。
軍曹「仲間が近くで迷っている」
仲間…!!
そりゃ杉元と谷垣がいなくなったら任務不成功になっちゃうし困るでしょうし後味も悪いしなんだけど…
なんかいいよね、この仕事だけどそれだけじゃないチーム感。
相手第七師団だよ?
こういう旅が本当にゴールデンカムイの魅力で魅力で。
たまらない!!!!


小屋のおじさんが連れて行ってくれた先は大きなカンテラ(というのかな?)のある場所。見ず知らずの日本人に…やさしい。
灯台守はきっとこういう状況はたくさんあって、その度にたくさんの人を助けてきたのだな。
土地に根付いた灯台守はまさにやさしさの権化だ。

カンテラの内側を拭く軍曹。
をガン見する鯉登。興味があるのもなんでも見る。しかも近い。邪魔。こどもかよ。(笑)
ほんと純粋培養で士官学校出たばっかりのお坊ちゃんは見るもの見るもの新鮮だよね。うんうん、色々なものみなさい。(何目線だ)


吹雪の中もうろうとする杉元。
日露戦争のこと、寅次の無念、鬼神になった自分、といろいろ走馬燈のように流れる。
寅次、帰りたかったんだね。
帰してあげられなかったことが杉元の後悔なのだな。
だからやっきになって梅ちゃんを助けようとしてるのだな。

回想の中の血まみれの杉元の肩を、
アシリパさんが叩く。

「光だ…」

現実の光と、アシリパさんが重なって、杉元は月島軍曹が灯した光を見つける。

アシリパさんは杉元にとっての精神的な光なんだな。
闇の中にいた自分を引き上げてくれた存在なんだな。


そして、光を月ではなく光だと認識したのはなんと鯉登少尉がウロウロしていたから。
それは心配で窓の外を見ていたからこそ、光を伝えることができたわけで。命の灯を示したわけで。

やっぱり鯉登少尉はアシリパさんとはまた違うベクトルで誰かを導く存在なのだなと思いました!(断言)
指揮官としてだけではなく、存在そのものがそういう存在というか…素でその素質があるんだよ。

思えば、少尉が犬橇借りなければスチェンカもしてないしそれなら岩息にも出逢ってないし、サーカス編でフェイク刀を軍刀に変えたのも、結果的に杉元を救うことになったわけだし!

彼自身が未来を見据えることができるキラキラした存在だとは確か以前の記事で書きましたが、
更に他人の道標になって道を照らすこともできる存在なのですね。

進む、音、進める、音、ですもんね。
(点多くてなんか変なポエムみたいになってしまった)
(はー………おとのしん超好き。(素直か))


そしてその素質は、鶴見中尉も鯉登少将も見抜いてるんだろうな~と思いますわね。
懐柔して手元に置こうとする鶴見中尉と、
その素質を伸ばして万人のための光になってほしい鯉登少将と…
おや、戦ってしまった。
鯉登少将黒幕説はどこへやら。


今週はここまで。
先遣隊は精神的にえぐってこないから、いいよね。


ところで、小屋の中に入った時のエノノカちゃんの顔がとてつもなくめんこいんで、今週号のMVPはエノノカちゃんにします。
あたためてあげたい。
ありがとうカッケマッとか言われたい。

この顔凍える時みんなするけどエノノカちゃんがNo.1かわいい。何度でも見ちゃう。



おわれ。

【本誌ネタバレ含】いま再びの鯉登親子

鯉登親子の記事、第2弾です。
定期的に鯉登親子に愛を叫びだす病が発病したのと、14巻が発売されて鯉登パパの素晴らしさが世間に広まった記念に書いていきたいと思います。
本誌でも音之進が再登場しましたしね!!


14巻感想でも書きましたが139話の鯉登少将、めちゃめちゃかっこよかったですね!!!
ほんの2ページであんなに心に響くこと言う人いる?みたいな。
あんなに自分の思いを誠心誠意言葉にする人いる?みたいな。

「杉元どん」から始まるあの台詞は、鯉登少将の色~んな思いが込められていると思うんです。
というわけで鯉登少将の台詞を見て一つずつ素晴らしさを語るという暑苦しいことしていきますね。
誰得?俺得です!!
当時の将校の考え方のどうのこうのとかそういうのちゃんと調べたわけじゃないのでデタラメだらけです。
誰得?俺得です!!!(二度目)



まず、甲板で佇む杉元に鯉登少将が「杉元どん」と呼び掛け、杉元が「「可愛い子には旅をさせよ」のつもりですか?死体で帰ってくるかもしれませんよ」と言うわけですね。
それに対して、鯉登少将は
「いつ死んでも覚悟はできちょる」と。


なんっか…ここからすでに心掴まれる。
だって、「覚悟」はできてるんですよ?
「軍人になった時から死んだものと思うようにしてる」とか「軍人たるもの…」とかそんな突き放した言葉とか客観的な一般論とかそんな言葉ではなく、
鯉登パパの本人の心からの気持ちなんですよねきっとこの「覚悟はできちょる」は。


そして鯉登少将の言葉は続いて、

「せがれの音之進はいずれ指揮官になっち決まっちょります
指揮官には大勢の若い命を預かる責任があっど
せがれには我から進んで困難に立ち向かい ふさわしい男になっくいやんせ」


ここもさぁ、自分と同じ指揮官となる息子に対する様々な思いが交差していますよね。
期待と信頼と愛情と、でもまだ頼りないから行く末を案じてもいると。


続く花沢中将の手紙の話で、

中将は手紙で「息子が前線で死んで愚かな父の面目を保ってくれた」と言っていて、鯉登少将もその考え方に共感を持っていますよね。ここに鯉登少将(と花沢中将?手紙を花沢中将が書いていれば)の死生観が現れてると思ったんですよ。
つまり死が美化されるという思想なのですけれど…これはきっと土方さんと犬童の話であった「殉教」に近くて、この世代までは死は美化されるものでもあったと思うんです。
(杉元の発想はどちらかというと現代よりというか、死は死んだらおしまいだという考えなのかなぁと思ったり。)

もちろん鯉登少将は指揮官として多くの死を見続けてきたから、その死を美化しなくてはならなかったという側面も多分にあったとも思います…
指揮官としての戦争に対する責任の一つとして、死を無駄なものと思ってはならないと思ってるかもしれないなと。


鯉登少将は、責任を負うことが自分の「役目」だと思ってるのかなあと思うのです。
自分には多くの責任があると思ってる。
戦争を起こした責任、大勢の若者を戦地に送りだした責任、そして大勢の戦友をあの世へ送り出し、自分は生きているという責任。
指揮官になる人間を育てた親としての責任、戦争を起こした軍人としての責任…
全てを背負って指揮官として生きている鯉登少将。

だから、冒頭の「いつ死んでも覚悟はできちょる」が余計に心に響くというか…音之進を危険な旅路に送り出す覚悟が泣けるというか。
息子を危険な旅路に送り出すというのは、責任を負った自分を律しての行動であるわけで。
でも一方で息子の行く末を信じて期待もしていて、やっぱり「可愛い子には旅をさせよ」なんだろうなと思うし…
その結果死ぬことになっても覚悟はできてる、そんな気持ちがあるのではないかと。


そんな鯉登少将だから、のっぺら坊についても理解を示すことができるわけですね。

アイヌに「戦って死ね」とうながすったれば まず我が子供を先頭に立たすっとが筋じゃっど…
娘ば利用しようちして育てたんとは絶対違どと思うちょります」

人を率いるという特殊な立場だからこそ自分の息子にかける期待と愛情が特異ものになってしまう。
その自分の息子への思いと、のっぺら坊のアシリパさんへの思いをリンクさせて語っているのですね。


杉元は、アシリパさんをアイヌジャンヌダルクにしようとしているのっぺら坊のことがどうしても許せなくて、なぜ娘にそんな重荷を背負わせるのか疑問で、近くでアシリパさんのことを見ていたから尚更その思いは深くて…
しかもアシリパさんと離れ離れになっちゃったから、どうしようもなく苦しんでる。

そんな杉元の苦しみを、この言葉で鯉登少将は少し和らげ、その先を導いてる。
(杉元は腑に落ちてはいないけど、少しだけ納得したのかなと思いますし…そんな考えもあるのか…みたいな。)
自分の息子と旅をする若者に誠心誠意伝える言葉が、その若者を救う言葉とか…素晴らしい。


鯉登少将の言葉に重みがあるのは自らに課した責任と、歩いてきた人生の重さなのですね。


…ということで何が言いたいかっていうと鯉登パパ最高。
139話のあの2ページはカラーにして部屋に貼りたい。



さてさて、音之進についても少し考えてみます。

音之進は樺太旅で色々な経験をしているわけですが、この旅で鶴見中尉の洗脳(?)は解けたりするんでしょうか。

鯉登少将が樺太行かせたのはそれもちょっと目的なのかなと思ったり思わなかったり。
まあ洗脳がどうこうというより、もっと広い世界を見てほしいから送り出したわけだから、その上で鶴見中尉の部下としてだけじゃなくてもっと自分の道を見つけてほしい、みたいなこと?
軍にいて、鶴見中尉の下にいるだけでは見えない世界はたくさんありますものね。


樺太サーカス編で、エノノカちゃんが音之進のこと「鯉登ニシパ」って呼んでたじゃないですか。(投げ接吻のとこです。)
あのシーン、なんか新たな音之進を見れた気がしてとてもいいな~と思ったんです。
だって「ニシパ」なんて音之進がいた世界では絶対呼ばれないわけだし。新しい世界が開けたな音之進、みたいな。(何目線だ)

スチェンカでロシア人と武器ではなく拳で殴りあったり、狂乱した仲間を信じて助太刀しようか迷ったり、刺青囚人を殺すだけじゃない選択肢を見たり(最初は岩息のこと射殺して皮を剥ぐって言ってましたから逃がすってのは戸惑ったろうなぁと)、果てはサーカスで結構一生懸命練習して曲芸見せたり接吻投げたり…

これを多少文句言いつつも素直に受け入れてるのが彼の成長性であるなと思うのです。
この旅で視野が広がり、立派な人間として、指揮官としての未来に繋がるんだなぁと思います。

これを見越しているなら鯉登少将素晴らしすぎるね。


音之進の「役目」は何だろうと考えた時に、登場当初は鶴見中尉の下で働くことなのかなと思っていたんですがおそらく違くて、鯉登少将の言葉から考えるとそれは、
大勢の命を預かるに相応しい立派な人間になること
なんだろうなあと思うので、やはり彼はこれからの成長が最も重要なキャラなのですね!!
楽しみだ音之進。
大好きだ音之進。


なんにしても樺太編は新しい音之進が見えて非常によろしいですね。素晴らしい。素晴らしいぞエノノカちゃん。
(関係ないけどスチェンカの杉元の「妙案」を最後まで信じてた音之進がすごく好き。)
(スチェンカ編とサーカス編はいずれ個別に感想書きたい。)


というわけで、鯉登親子への愛を叫ぶ発作による色々偏ったブログでした。





ここからは与太話。


音之進はさ、最終鶴見中尉と袂を分かって最後はぜひ鶴見中尉を撃つのかな撃ってほしいな、というのは何度も言ってますが、
理由の一つとしては立派な父上を持つ音之進にとって、巣立ちの通過儀礼の相手はきっと鶴見中尉なんだろな~とぼんやり思ったりしてるわけなんです。
で、鶴見中尉が乗っ取ろうとしていた第七師団の、最後の師団長になったりするんだろうか…などと妄想してます。(だって音之進のモデルはきっと最後の師団長の鯉登行一中将かなと思うし…)
音之進は鶴見中尉を殺そうとするけど、遺志を受け継いではいて、ちゃんと自分なりに軍と日本を思う指揮官になっていく気がします。

鶴見中尉を撃つ際にはぜひ、標準語で、はっきりと鶴見中尉に話しかけてほしいですね。
そこで音之進は鶴見中尉から巣立ちできると。

…と思うのと同時に音之進はやっぱり殺せなくて、結局二階堂が…って感じかもとか妄想してます。


…やばい、妄想で泣けてきた(情緒不安定か)。


音之進は、勇作さんの失われた未来の姿で、尾形と月島が手に出来なかった眩しい過去の姿で…
とか考えると音之進って本当に眩しい!未来ある!
アシリパさんとはまた別のベクトルの未来が!!

もう音之進には期待しかない。



おわれ。


第一弾はコチラ↓
mochikuchen.hatenablog.com