漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。(他作品語るブログはじめました→ https://mochimochihq.hateblo.jp/ )

【本誌ネタバレ】165話感想

……読みました。

今回なんかキャパオーバーで頭沸騰したのでうっすい感想です…それいつもや。











うわーーーーーん尾形ぁぁぁぁぁぁぁ(号泣)
かわいそうだよ、かわいそうなクソ野郎だよ…!!!




などと錯乱しておりますが、順を追って…



扉絵が勇作さん。
おめでとう!!!!
でも尾形のこと踏んでない?(笑)
このモブ死体めっちゃ尾形に似てる(笑)


本編。
二〇三高地、勇作さんが周りの兵士を鼓舞して進む様子。
とてもかっこよい。
そして今は亡き方々の戦闘シーン。

「勇作殿のおかげか弾に当たらんわ」

二階堂と岡田さんだわ。久しぶり。あと玉井伍長に野間に…
って造反組かい。
しかもおそらく二階堂は浩平じゃなくて洋平。つまり死んだ造反組の方々。
だからげんじろちゃんも軍曹も前山さんもいないんだね。
あーこれはピンときたぞ。造反するに当たって尾形め嘘ついたな。「鶴見中尉に勇作さん殺せって言われてん」言うて。…とか言って実際尾形が殺してるからこれはないな。ないない。
まあ造反の謳い文句は勇作殿の勇姿どうのこうのだな、きっと。多分。知らんけど。
勇作さんを身近で見て、心を掴まれた人達が造反組か~。
勇作さんてば思いの外ぐいぐい本編に食い込んで来るなぁ。


塹壕で、一人遠くの敵を撃つ尾形のところへ、鶴見中尉。
勇作さんを褒める。
皆の心が掴まれている。とのこと。


「では殺さない方向でということですか……分かりました」


と尾形。
勘のいい子だね。君のような勘のいいガキは嫌いだよ。
そして鶴見中尉は殺さない方向でいこうとしていたのか…ほんとにぃ~?疑っちゃうね。
でもこれなら鯉登を少尉として迎える空席作りという線は消えたかな。


場面変わって病床の尾形。
鉢巻つけられててかわいい。
ウイルタ族のお守りもかわいい。夜泣きと腰痛ください。
白石は安定の白石…遊郭通いやめなさい。
アハハウフフが見れたの。嬉しい。


でも闇尾形のせいですぐダークゾーンに引き戻される罠。

再び尾形の回想。
夜中、勇作さんを連れ出す尾形。
捕虜を殺せと迫る尾形。
自分は清いままで戦争をやりすごすつもりかと迫る尾形。挙げ句、

「勇作殿が人を殺すのを見てみたい」

…こわ。尾形こわ。
見てみたい、とか、確認したい、とか純粋な興味が理由のように話すのこわい。こわいよー。

で、断る勇作さん。
その理由が

「父上からの言いつけなのです 「お前だけは殺すな」と」


ここの尾形の表情が形容しがたい…。


花沢中将は、旗手が人を殺さないことで旗手は偶像となり人々に勇気を与えると息子に言いつけたと。

ここの花沢中将の言葉は、旗手が人を殺さないことで他の兵士たちは「旗手を守ったという誇りを持つことができ」、「汚れない偶像化された旗手の存在が自らをも同じステージに上げてくれるという錯覚を覚え」、結果的にそれは
「戦う兵士の心が戦場に残ってしまうトラウマを防止する」
ということに繋がるという考えからくるものだったんじゃないかなと。
旗手の神聖さについて、自分の息子が率いる兵士たちのことをも慮った清廉潔白な軍人らしい解釈をしていたのだなと思います。

ただ同時にやっぱり我が子を思う親の気持ちもあって、
「人殺しに手をそめられないであろう息子に用意した言い訳」
の側面もあったんではないかなと思いました。

尾形の取り方はどちらかと言うと後者の理由が大きくて、祝福された子どもは戦場で人を殺さないことすら許されるのかと憤り通り越して呆れているのかな。
だから「父上」と言われた尾形の表情が非常にこわい。こわいよ百之助。


そして、尾形は「殺した人間への罪悪感なんてみんな持っていないはず」と言いますが、勇作さんは尾形を抱き締め、


「兄様は決してそんな人じゃない」
「きっと分かる日がきます」
「人を殺して罪悪感を微塵も感じない人間がこの世にいて良いはずがないのです」


と尾形にとって決定的ともいえる言葉を吐く。

この言葉は尾形にとっては呪いに等しいものだったと思います。
人殺しに罪悪感を感じていない(と思ってる)自分は存在しちゃいけない人間だと言われていると取ったんじゃないかなと思います。暗いやつだし尾形。

勇作さんは優しいから、兄を救おうとしてのこと言葉だったんだけど…純粋故の、優しさ故の言葉だったのだけども…
品行方正な軍人であれと教えられてきた勇作さんにとって、軍人は皆品行方正だと思っていたかも知れなくて、その世間知らず故の言葉だったのだけども…。


結果、尾形は勇作さんの後頭部を撃ち抜きます。
鶴見中尉に言われたわけでもなく、自分の意志で。

ここが、尾形が鶴見さんのシナリオの外に出た瞬間なのですね。


撃たれた後の振り向き様の勇作さんの顔。目が初めて見えた。
兄様に撃たれた何を思ったんだろうか。
尾形を哀れんでるようにも、許しているようにも見える。



場面は現在に戻って目を覚ますとそこにはアシリパさんが。
尾形の中では勇作さんとアシリパさんが重なっている。

自らは手を汚さず、シンボルとして偶像化されようとしているアシリパさん。
なるほど、ここで尾形のアシリパさんへの執着と、たらし行為(「一緒に行くか?アシリパ…」とか)の理由がわかりましたね。


…え、てかなにこれ死亡フラグ?だめだよだめだめ!!!

早く来て杉元!!伝えなきゃいけないことがあるんだろ!!!


…ってところで次号。




…なんか先週今週とヘビーすぎてきつい。最高。



さて、尾形が勇作さんを殺した理由をちょっと考えてみました(いきなり物騒)。

勇作さんの言葉を受けて、

・そんなに言うなら勇作さんを殺して自分が罪悪感があるか試してやるよ
・これが祝福された人間か…ギイ悔しい!鶴見なんか知ったことか!
・大事に育てた息子が死んだら父上どう思うのかな~不殺だから死んだんですよ~戦場だもの
・戦場で人殺しをしない兵士は存在してはいけない退場しろ

…どれでしょうね。
これに加えて11巻で言ってた、父上が自分を思い出すか確認したい、という話なわけですね。
あと筆者が提唱してきた「勇作さん好きすぎたから説」まだワンチャンあるかなと思ってる。多分ないけど。


そして尾形のスイッチ入れちゃった勇作さんの罪悪感の話ですが、尾形は人殺しに罪悪感を感じてないと自分では思ってるみたいだけど、じゃあなんで勇作さんが化けて出てるのかって話が疑問。
勇作さんについてだけは罪悪感が芽生え始めたとかなのかしら。
尾形、軍を抜けて旅して、人間らしくなってきたというのだろうか。
勇作さんの
「きっと分かる日がきます」
というのは尾形がいつか罪悪感を持ちえることを予言していたのかな。
その相手が自分て…悲しい勇作さん。哀しき若者 勇作。


そしてそして今回勇作さんを撃って初めて鶴見劇場の外に出た尾形ですが、勇作さんを撃った瞬間というのは鶴見中尉の腹心でいるよりももっと根本的な、自己の存在の意味を確認したいという気持ちが勝った瞬間なんですねきっと。

この後尾形は父親を殺して鶴見中尉の元を離れるわけですが、その理由の一つとしては偶像として崇められることへの嫌悪感があったのかなと思いますが、もう一つに弟と父から祝福されない自分の存在の意味はないと悟って、もう全てどうでもよくなったのかもしれない。
父から呪われた後の笑みは、もう自由だと思ったのかもしれないし。
ここで何もかもから解放されたとかなのだろうか。


なんかよくわからなくなってきたのですが…


…となるとさ、まってなんで尾形金塊ほしいん?ってなりますね。
やっぱり自分探しかな。
尾形はなんか役目を持ってると思ったりしてるんだけど(げんじろちゃんが「自分は役目を持ってる」的なこと言ったら助けてくれたりさ)…


頭がこんがらがってきたのでやめます。




来週は杉元チームくるかな?!

しばらく暗めなきついのが続いたので、思いっきりバカなことしてるあの子達がみたい!!!!
ただただみんなをかわいいかわいい言いたい!!!

いいよね、先遣隊!
なんだかんだ毎回杉元の意思を尊重してる月島さんと鯉登くんが大好きだーーーー。