漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。

【本誌ネタバレ】178話、179話感想(後編:考察(鶴見中尉について))

ちょっと…言葉がありません。
この過去編、キロランケのかと思いきやまさかの鶴見中尉のだったとは…本当に、驚いたの一言です…。長谷川さんじゃなかった鶴見さんだった…。
本誌177話の本編最初のページの右上の小さなアオリが
「誰が為の追憶か。」
だったんですが、アオリも伏線だったんですね…。

てことで、キロランケと鶴見中尉は何十年も前に会っている、鶴見中尉にとっては因縁の相手だったということがわかりました。
確かにキロちゃんと鶴見中尉は一度も出会ってないんです。それがこんなことになるとは…。
そして「ロシア政府から漏れてきたある情報」が金塊のことだとすると、ウイルクはこの時代からその糸口はつかんでいたんですね。
だとしたら鶴見中尉もそうかもしれないなと。こんなに前からじわじわと金塊争奪戦を繰り広げていたのかと。感嘆しかないですね。


今回で解けた謎がたくさんありましたがその一つが、どうして鶴見中尉は先遣隊を追おうともせず北海道でのんびりしているのかということ。
それはキロランケがどうやって日本に入りどのような生活を送っていたのか、という過去の動向も、現在何をしようとしているの動向もすべて知っているからなんですね。
鶴見中尉は焦る必要がない。というか今持ってる刺青の暗号が解ければそれでゴールなわけですし。
もしかしてもう解いてるんじゃないかと思えてきてしまいますね。


さて、今回のこの話、一体何年の話?って疑問がありますね。
(そもそもゴールデンカムイ自体が何年のこと?って疑問はありますが、筆者は1907~1908年くらいかな?と思ってます。)
177話でのキロちゃんの台詞「皇帝暗殺から十年以上の逃亡生活…」その「十年以上」が十一年くらいなのか十六年くらいなのかで全然時系列が違います。
つまり、この話は日清戦争前なのか後なのか…てことで鶴見中尉の人生年表2パターン考えてみました。
これはまだ確定版ではないのでふ~んくらいに見てください。全然違う可能性あります。再来週直すかもしれませんし。


【パターン①・この話は日清戦争前】
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今週号のアオリが「反逆の情報将校 その原点」だったので、原点といえば鶴見中尉の若いころの話かなぁと思うのですがどうでしょう。
そしてこのパターンだと、キロランケやウイルクの動向を追うため&金塊のために北海道に転属にしてもらった?…全部「鶴見劇場」のシナリオ通り?
(あと、これなら樺太サーカスの山田座長は上司だったりすることもありえるのか。それか178話でキロちゃんが言ってた「長谷川さんの情報をリークした他のスパイ」は山田座長かも?なんて…。音之進の写真キャラはここへの伏線だったり…しないかしら。だったら面白いですよね。)


【パターン②・この話は日清戦争後(月島軍曹も同行してる)】
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なんてのも考えましたが…でもこれだと、鶴見さんがロシアに渡って結婚するまでやアシリパさん誕生までの時間が飛ぶように過ぎていることになります…
奥さんのことも騙していたことを考えると無理があるかなと。
キロランケの話によれば『長谷川さん』は10代の頃にロシアにきて地元の女性と結婚したことになっていたので、
その話は結婚まで2,3年くらいないと地元の信用が得られないのではないかなと。
10代とまではいかずとも22歳くらいにはロシア入りしないと成り立たないような気がします。

そして鶴見中尉が月島軍曹に目をつけたのは、ロシア語を知らないフリをする必要があったから、ロシア語の通訳として信頼できる部下がほしかったからなのかなとも思います。


ということでパターン①かなぁと今はなんとなく考えています。
その場合、177話感想で言ってたトンデモな「アシリパさんの母親はソフィア説」はなくなりましたね。書いたあと正直、まあそうかなと思っていました。(本当に思いつきブログなので信じないでください。)


なんにしても鶴見中尉ですね…こんなに重たい過去を背負っていたとは…。
ちょっと中尉とその周りの人々について考えてみました。

まず、仕事で潜伏するためとは言え、家族をまったく愛していなかったということはないと思います。
子どもの亡骸の手を愛しそうに触れ、二人の亡骸をきれいにして、丁寧に送っている。妻の小指を切り取ったのは遺骨を手元に置くため。
それで愛情がなかったわけはないと思いたいです。
(子供をあんなにずっと、日本語教えながら抱っこして…稲妻強盗の子供を抱っこしていた時、何を思ったんでしょうか。)

鶴見中尉は妻に「私が行くまで実家に隠れていなさい」と言っていたことから、鶴見中尉としてはもう迎えにはいかず、おそらくそのまま消えようと思っていたと思います。
自分はどこかへ消えるけど、妻と子はロシアの地で無事に暮らす、というのが鶴見中尉の考えたシナリオだったわけです。
でも、キロたち三人のせいで妻と子供は死んでしまった。
この三人が訪ねてきたこと、日本語を教えてほしいとしばらく滞在したことが鶴見中尉にとって最大の誤算で、その誤算のために妻子が死んだわけですから、鶴見中尉にとっては許しがたい相手だろう…と思うのです。
愛した妻子の元を去ろうと思っていたとは言え、どこかで妻子が生きていることと目の前で死んでしまったとでは別離の意味が天と地ほど違いますよね。

この事件は鶴見中尉を狂ったように走らせる理由の一つになっていると思います。
実家も没落し、妻子の死も目の当たりにし、もはや失うものは何もないわけですから。
(燃える家を背にして去る場面は、杉元の時と同じ構図。
杉元も失うものはなかった状態から、親友との約束とアシリパさんとの出逢いによって、少しずつ人間になっているのかなと。対して中尉は…と思うと切ないですね。
これから得てほしい。お願いだから。)


さて、原作時間軸に話を移して、鶴見中尉の周りにいる人々について。
今回のことではっきりしたのが、やはり鶴見中尉は親とか家族になんらかの問題があった若者を意図的に自分の小隊に集めているようなということです。
…というかそういう存在を見つけて懐柔するのが上手い?おそらく彼らの新しい「親」になるという発想で懐柔しているのではないかと思いますが…。
(もし家族に問題のある若者を集めているのだとしたら二階堂も?宇佐美も?とか思ったり…でも二階堂は帰る故郷があるので違うかも。)
杉元も、アシリパさんに出会ってなかったら鶴見中尉に懐柔されていた可能性が高いと思ってます。
勇作さんは家族に問題がなかったから懐柔しにくかった…とか?(疑問符ばかりで申し訳ない)

で、ここでちょっと考えてみたいのが鯉登少尉。(正直いつも考えています)
彼は父親は立派だし、家柄も立派だしでなんの問題もなさそうで…母親が死んでいるとかそんな感じかなぁとも思ってるんですが、なんで彼が鶴見中尉を崇拝しているのかまったくわかりません。謎です。
だから鯉登少尉にもすごく辛い過去があるか(でもそんな人が戦争行きたかった発言するかなぁ…?と思ってます)、もしくは鯉登パパが鶴見信者か、鯉登パパが黒幕なのか(これはないとしても)、はたまた単純明快な性格だから懐柔はちょろかったとか(笑)、色々考えてみましたが、多分ここに挙げた理由以外のとんでもない理由があるんだろうなと思っております。
むしろ鯉登少尉のエピソードのベクトルは過去ではなくて未来なのかな…とか思ってもいます。
アシリパさんと対になって、これからの時代を作る存在。「未来」と「進」の名前を持つ二人はそういう役目を持っていると思います。
そして、以前の記事( 【本誌ネタバレ含】いま再びの鯉登親子 - 漫画と北国とわたし )で書きましたがやっぱり彼にとっての巣立ちの通過儀礼の相手は「鶴見中尉」なのかな~と妄想しています。
鯉登少尉は未来を担うわけなので…でも過去があってもいいですね。


何が言いたいかよくわからなくなってきたのでちょっと尾形の話を。
なんとなく思うのが、恐らくなのですが、尾形は全部知ってるんじゃないでしょうか。
177話の尾形の顔、キロランケの語る長谷川さんが鶴見中尉だと知ってて聞いてる風に思えました。
そうだとすると鶴見中尉とキロランケの因縁を知っていて、鶴見中尉の因縁の相手であるキロランケと手を組んだわけですが、でもじゃあ尾形は何がしたいの?
キロランケといつから手を組んでいたの?
尾形、君はなんなの?
すべてを知っているのだとしたら、尾形はこれから最も重要な人物になってきますね。誰にとっても。

あまり関係ない話ですが、尾形初登場時なんでか一人で森の中にいましたよね。
あれってアシリパさんを探していたって可能性もなきにしもあらずなのかな~と思ってます。
鶴見中尉の因縁の相手の、子供にして金塊のてがかり。尾形はアシリパさんに何をしたいのか、どうするつもりなのか。
(尾形のことを考えると思考がループします。)



ほんとに…今週は本当にしばらく思考がストップするくらいの衝撃でした。


今思えば、164話の扉絵がですね鶴見中尉が高みからこちらを見下ろしていて、「鶴見の見物」というアオリがついていたんです。
本編と関係ない扉絵になんとなく「なんで今中尉???」だったんですが、あれは鶴見中尉は樺太の動向をすべて高みから見物しているという隠喩だったような気がしています。
情報将校の持つ情報は、底が知れない…。


そういえば梅ちゃんの縁談相手、鶴見中尉かもしれないですね。
40代の妻子を亡くした素敵な男性。(中尉本当に妻子亡くしてましたし。)


というわけで、次週は休載なので、次は再来週。
その間に少し気分転換に誰かの記事とかアニメ感想とかあげられたらいいな。


おわり。