漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。(他作品語るブログはじめました→ https://mochimochihq.hateblo.jp/ )

【本誌ネタバレ含】金塊の暗号についての考察

久しぶりに本誌感想以外の考察あげてみます。

タイトル【金塊の暗号についての考察】なんですけどね、ゴールデンカムイの根底の話を考察してみるとか割と命知らずなんですけどもね、いいんです楽しいから。長いです。
はじまり~↓


さてさてまずは今まででてきた情報を箇条書きにしてみます。

・暗号は人体の皮に彫り込まれている
・暗号は漢字と、太かったり細かったりの曲線で構成されている
・金塊を隠したのはウィルク(のっぺら坊)
・暗号の鍵はウィルクがアシリパさんだけに伝えた
アシリパさんが鍵を思い出すきっかけは「ホロケウオシコニ」というキーワードと、杉元に教わった漢字の読み方
・杉元には解き方に心当たりがある

って感じでしょうか。

 

最初に謎だったのが「なんでウィルクは暗号に<漢字>を使ったのか」ってことです。

それは「漢字の特性」に起因してるのかなと考えました。漢字の重要な特性としては、

・別の文字で同じ読み方をするものが存在する
読み方が複数あるものが存在する
かなと思うんです。
19巻でアシリパさんが暗号の鍵を思い出したのは、杉元に漢字には読み方があるって教わったってところも一つの要素になってるじゃないですか。杉元が暗号で「気付いてることがある」って言うのもアシリパさんが文字の話をしてる回想からじゃないですか。

じゃあそれがどう「ホロケウオシコニ」のキーワードに繋がるのかって話なんですけど、刺青に書かれた漢字には、その読み方と、「ホロケウオシコニ」の単音ホ、ロ、ケ、ウ、オ、シ、コ、ニが合致しているものがしばしば見受けられますよね。

もちろん刺青に書かれた漢字の全ては明かされていないわけですけど、例えば「歩(ホ)」「呂(ロ)」「華(ケ)」「迂(ウ)」「汚(オ)」「仕(シ)」「濃(コ)」「弐(ニ)」など…

で、漢字の特性としては読み方が複数あるし、別の漢字で同じ読み方をするってのもたくさんあります。
例えば刺青で言うとロは「呂」も「蕗」もあるし、コは「濃」も「鼓」もあるし、オは「汚」も「雄」もあるんですよ。シは「仕」も「歯」もある。

だからもしかしたら、刺青に掘られている「ホロケウオシコニ」の単音を読みに持つ漢字同士(呂と蕗とか)を重ね合わせて繋げてみると一つの大きな地図になる、とかそんな感じじゃないかな~なんて思っております。(…もし他に漢字の特徴を最大限に活かした暗号作成法が思いついたらまた書きますね。)

 

さて、この話が当たっていたとしたら、そもそもなんですけどアシリパさんに漢字を教える誰かが必要になってますでしょ(何キャラ)

アイヌは文字を持たない民族なので、彼らの言葉はすべて音で伝承され、和人が書き残す際にはカタカナで記されます。アイヌ民族に暗号を解く鍵を残したいなら少なくとも「音」で残すべきですし、音が難しいウィルクのような状況ならせめてカタカナかひらがなで残すべきじゃないかと思います。
なのでウィルクが暗号を漢字にしたのは漢字の特性ともう一つ理由があるんじゃないかと考えてみました。

漢字の特性に重要な意味があるなら、この暗号は漢字を知らないアシリパさんが解けるような暗号じゃなくて、少なくとも漢字の読み方を知ってる和人の協力が必要になります。

つまりアシリパさんが和人の誰かと仲良くなり、少数民族アシリパさんと和人の誰かとで力を合わせて暗号を解いて、初めて金塊にたどり着ける仕組みになっている。

ウィルクの、極東の少数民族を救いたいという気持ちは一貫して少しも変わってなくて、それを「未来」の名前を付けた娘のアシリパさんがその名の通り、和人と協力して暗号を解くことができればそれは新しい未来につながる。
…とか思ってたんだとしたらどうします?(どうします?)
少数民族だけの国家を作るのも、今までのやり方では絶対に成し遂げられないとウィルクはわかっていたと思います。だって頭いいし。先見の明すごいし。

だからこんな、アシリパさんと和人が協力しないと解けないような暗号だったのかなぁ…みたいな。
で、解けなかったらそれはそれで仕方ない、くらいに思っていたかも。みたいな。
でもそう考えてみるとウィルク、アシリパさんに未来を託しているけども、アシリパさんですら自分の描く未来への道具の一つに過ぎないと思ってるという面も見え隠れ…道具で言えば土方さんだってそうだし、ましてや他の囚人だって本当に道具にしか思ってないでしょ…みたいな。
ウィルク、すごい。こわい。でもすごい。
やっぱり上に立つ人ってこうでなきゃ!!みたいな。


でも杉元とアシリパさんが出会ったのって言ってしまえば偶然なわけなので、ウィルクは杉元を想定してはいなかったと思います。
じゃあ誰なの?!…なんですけど、ウィルク的にはその役を最初は土方歳三にさせようと思ってた気がするんですよね。だから土方さんにアシリパさんの和名を教えたんじゃないかと。

でもでもなんとなくですけどアシリパさんに漢字の特性を教える役目は杉元じゃないとダメだったんじゃないかなと思います。他の和人誰でもなく杉元じゃないと
アシリパさん多分暗号の鍵を思い出しても土方さんには言わなかっただろうなと。
ウィルク的にもそこはアシリパさんに任せたんじゃないかなと。アシリパさんが土方さんを信用するかは別問題、みたいな。
アシリパさんが相棒に選んだのは、真っ直ぐでいつも過去に苦しみもがいている若者、杉元(キャッチフレーズかよ)


そして更には暗号の鍵を思い出させるのは杉元一人じゃだめで、漢字の特性や和人の文化を教える役目は杉元が、昔の記憶を呼び起こさせる役目はキロちゃんが、誰かを疑い必要とあらば地獄に堕ちる覚悟を教える役目は尾形が担ってアシリパさんを成長させたのだと思うと、え、何、泣ける……モニター曇る…


金塊探しというか生きる目的が過去にないのってアシリパさんと鯉登少尉だけで、他の人大体過去を理由に生きてて、だからアシリパさんと鯉登少尉には期待of期待(雑か)

 

 

そんなわけで、こんな感じで考えてみましたよというお話でした!!

改めまして今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

追伸、他の方の考察を一切見ていないのでどこかでここより早く同じことを言っている方がいたらごめんなさい!!このブログ全体に言えることですが…えへへ(かわいこぶんな)
もし同じこと言ってる方がいたらわたしのことはめっちゃどや顔で二番煎じなこと言ってて恥ずかしいやつだなくらいに思っててください☆

 

おわります~!!