漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。(他作品語るブログはじめました→ https://mochimochihq.hateblo.jp/ )

【本誌ネタバレ】170話感想

本誌感想です。
今回も中々にやばいですよ、わたしの頭が。







うおおおおおおぉぉぉぉぉぉヒンナアァァァァァ!!!!!!!



…さ、最初から見ていきましょ。
今回は静かな中にも不穏な空気が散りばめられまくっている回でしたね。


扉絵、イルカにのった白石。
なにこのパロすげー笑える。城みちる。もう突っ込みどころしかない。白石は癒し。

本編、そんなイルカは一コマ目で尾形に撃たれます(笑)
しかも次のページでは捌かれます(笑)
そうだよね、ご飯食べないとだから!生きるってきれいごとじゃないから!!
…でもそんな重いテーマをこのリズム感とギャグテイストに仕上げてくるのがもうほんっと笑えます。
あと尾形髪の毛帽子で隠れてるのに髪なでつけてる。

アシリパさんたちは漁猟を得意を生活の中心とするニヴフ民族と行動している。
めっちゃイルカ捌いてくれる。
くじら汁を作ろうとしている白石ですが、味噌が欠かせないとのこと。
そこでアシリパさんは、杉元の味噌を取り出す。
白石「なんで杉元の味噌持ってんの?」アシリパ「わたしがちょっと預かっていた…杉元は荷物多いから」
で、美味しいイルカ汁を囲みます。
で、杉元のオソマがなくなってしまったアシリパさんは「杉元のオソマじゃなきゃ嫌だ!!」と。
白石はそれに対して「そのうちまた食えるよアシリパちゃん」と。

ここで、この二人の共通見解であるところの「杉元が生きている」がまた強調されましたね。
白石も、アシリパさんに杉元のオソマをその内食える=杉元にその内再会できる、と言ってさりげなく励ましているのですね。
でもこれはきっと白石とアシリパさんの共通見解があるからそう思えるのであって、
傍から見ればただ「その内また美味しい味噌食べれるよ」って言ってるだけなのが巧み~!!!
白石~すごい~好き~!!

などと思っていたら…


「ヒンナ」


「ヒンナ」


はっ?えっ?!!!
おが…た…????
お前今なんて?!!!!

今までかたくなに言わなかった尾形が


ヒンナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ??!!!!!!!


11巻でさぁ、大雪山でさぁ、好きなものならヒンナって言えるのかなとかってアシリパさんに言われて、その流れでアンコウ鍋に話が移行したわけだけど…

そんな尾形がヒンナ???!!!!!!!

チタタプの前科があるから正直裏があるようにしか見えないんですけど…つーかどこ見てんだよ尾形(笑)

ちょっと考えてみましょう。
・きれいな尾形ver.
熱だして勇作さんの幻を見てデトックスされて、食べ物の味を感じるようになった尾形。ヒンナだなあご飯ヒンナヒンナ。
あとアシリパさんにこっちみてほしい。
・汚い尾形ver.
そう言っとけば信頼を得られるんだろ、この小娘に…みたいなこと考えてる尾形。

…わたしは断然後者を推します!!
というか、アシリパさんが杉元の話していたからヒンナって言ったのはそうだろうと思うのです。
尾形はきっとアシリパさんの相棒レベルまで自分を持っていってアシリパさんからの絶大な信頼を得ないと、彼が担ってるなんらかのミッションはクリアできないんだろうと思うのですよね。
中央からの指令なのか、土方さんからの指示なのか、自ら課した役目なのかは分からないのですが、
とにかく尾形は金塊を手に入れなくてはならない大きな理由を背負っているので、そのためには「ヒンナ」だって言ってやるよくらいの覚悟なんだろうな~と思いました。

それにそんな突然いいやつになるなんて尾形っぽくないっていうかもっと一癖も二癖もなくてはね。
杉元佐一と対になって鯉登音之進と対比される存在なのだから。
…っていうわたしの私情は置いといても、なんだか不穏ですよね。

そしてチタタプの前科から、この先彼はまたキロちゃんのことも裏切るのだろうか…なんて思っています。
網走監獄破りと同じく、亜港監獄破りでもまたキロちゃんとかを撃っちゃったりするんだろうか…。
そしたら本当にアシリパさんと二人きりになって、そこで尾形の本当の目的が明かされる、みたいなことかなぁ。

いやぁこわい。(めっちゃ楽しい)
それでこそ尾形!!これからも不穏な行動を楽しみにしているよ尾形!!


あらすじに戻ると、
チタタプ同様今回もアシリパさんに騒がれる尾形。
放っといてやれよっていう顔の男子。こういうの好き。

白石はキロちゃんに、自分たちはいつまでこの亜港に滞在するのか聞きます。
そして更に「亜港監獄のその女囚には…ただ面会しに行くわけじゃないんだよな?」と。
黙るキロちゃん。
ソフィアさんのことを知りたがるアシリパさん。
樺太の男囚と女囚の違いや、ソフィアさんの昔の姿に憧れていたことを語るキロちゃん。

ここの白石は頼もしいですね。
巻き込まれている自分たちがこれから何をしようとしているのか、ちゃんとはっきりさせようとしている。
白石がちゃんとキロちゃんにきれいごとじゃない今後の計画を聞いたのは、アシリパさんだ情で丸め込まれちゃうからなんだろうなって気がします。
現にソフィアさんに会いたいって感情だけで、監獄爆破計画に組み込まれようとしている。


そんなアシリパさんの会いたがってるソフィアさんの現在…
どうしてこうなったとしか…!!
え、で、まさかの伏線回収早い。灯台守の娘スヴェトラーナさん登場。
結婚して外に出ることを拒むスヴェトラーナさん。
そしてソフィアさんに手紙が来る。
キロちゃんから…!!!
「戻ってきたね坊や」
坊や…!!キロランケニシパを、坊や…!かっこいい~!!

ソフィアさんのキャラのモデルはきっとラピュタのドーラですね。
ゴールデンカムイはちょいちょいジブリパロが顔をのぞかせるので(99話の鯉登少尉とか)、今回もモチーフはそうなのかな~。
あとスヴェトラーナさんはどうして捕まったの?脱走兵が関係しているの?そしてソフィアさんの思想に賛同しているの?
何がってこうなったの?そんな彼女を杉元はどうやって灯台守のところへ帰すの?
そしてスヴェトラーナさんが革命側ということは、杉元たちとキロちゃんたち目的がまたもや相容れなくなってしまいますね。
ドラマチック!!ほんとうに先が読めませんね。


そして場面は変わってキロちゃんがソフィアさんを脱獄させる計画を語ります。
囚人250人を脱獄させる。
やり方は、監獄の複数個所の外壁を同時に爆破する。
爆薬の在り処は、亜港の岬にある燈台。
燈台には日本がまた侵攻してきた場合に破壊させるように爆薬が支給されている。
「あとは待つ…あれが来れば脱獄の成功に条件が整う」


って所で今週はここまで。

さて、最後のキロちゃんの言う「あれが来れば…」の「あれ」を考えてみました。
可能性としては三つかなぁ?と。
1、海が凍ったり流氷がきたりの自然現象
2、第七師団→日本がまた侵攻してきた場合に使う爆薬…ということで。そしたら燈台が爆破されちゃうからだめか。
3、土方さん一味→手を組んでいたとしたらの勝手な希望
…まあ1ですかね。ロシアには不凍港がないはずなので。
でも海が凍って、なんだ?って感じですね。
海を渡って逃げるんでしょうか。船が待っていたりするんでしょうか。
楽しみ~!!


しかし、アシリパさんのこと、みんなどこまでボロボロにするのか…
アシリパさんも、杉元のオソマがなくなって杉元の形跡がない状態なのにそんなに背負わなくていいんだよ。
でもアシリパさんは民族融和の象徴だから仕方ないのだろうか。
(この象徴云々の話はまた別記事でまとめます~。)


というわけでおわります。
はぁ尾形…(溜息)