漫画と北国とわたし

ゴールデンカムイの考察だの感想だの聖地巡礼だのをつれづれと。本誌ネタバレ含みます。(他作品語るブログはじめました→ https://mochimochihq.hateblo.jp/ )

【本誌ネタバレ含】キロランケについて語るvol.2【憶測年表つき】

今回は最近本誌をにぎわせているキロちゃんについて。
キロちゃんについてはすでにもう何回か語っていますが、今回もまだ語ります。
なにせ筆者はキロちゃんが大好きだから。特に顔が(邪)
前回の記事が6月に書いたものなので、そこから新たに明らかになったキロちゃんの情報をここらで一回まとめてみますね。


まず憶測年表。(前回とあんまり変わってない)

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彼の場合は皇帝暗殺時に15歳だと歳がはっきりしているので結構作りやすいですね。
1866年生まれ。
なんとこの年は史実ではアレクサンドル2世がキエフで暗殺未遂された年だそうです。
金カム世界ではこの年に生まれた青年によってその15年後に今度は本当に暗殺されることになるんですねアレクサンドル2世。なんという因縁。
ちなみにドストエフスキーの「罪と罰」の連載が始まった年でもあるそうです。盛りだくさん!


次に最近明らかになったキロちゃんの情報まとめです。
・ユルバルスという名前を持つ
・ロシアでは未だに指名手配されている
タタール人で樺太アイヌの血が入ってる
・めっちゃいろんな言語喋れる
日露戦争で手投げ弾を作っていた名もなき工兵
・実は鶴見中尉とすでに出会っているがキロちゃんは気づいていない
・25,6歳の頃に流氷の上を歩いて樺太へ渡り、その後北海道へ(長谷川写真館の話が何年かはわからないので何歳かは明確ではないです)

…こんなところでしょうか。(まだあったらしれっと追加しときます。)
タタール人ってあっさり言っていましたが…ということはやっぱりキロちゃんは遊牧民族で、それで自分たちの文化が帝政ロシアに支配され自分たちの「カムイ」を奪われたとかそんな悲しすぎる過去を持つのでしょうか。
うわぁつらい。
ユルバルスって名前も本名かは分からないですが(革命家としての名前かもしれないし)、
ちょっと調べたところによるとこの名前はタタールの方の名前で、昔ユルバルス・ハーンという王様がいたそうなのでタタール人としてはきっとよくある名前なのかなと思っております。だから本名なのかな。どうかな。

なんかキロちゃんの過去、明かされているようで明かされていないことが多すぎます。
キロちゃんがどうして革命家になったのかその根本というかアイデンティティーが知りたくて仕方ないですね。
でもそれを知るのはキロちゃんが死ぬ時とかだったらどうしましょう。つらすぎる。

筆者キロちゃんは死ぬ死ぬ言ってますが、なんか革命家ユルバルスは死んでアイヌのキロランケとして生きていくみたいなそんな終わりでもいいと思っています。
平和に生きていってほしい。
老若男女問わず民族問わず「いい男」と言われているキロちゃん。
あーーー好きです。


ここからは与太話。
わたしの希望も入ってる話なんですが、キロちゃん、もしかして一度も嘘ついてないんでは?なんて思っています。

なんというか、彼は、取り様によっては意味が変わる言葉を多用している感じがするのです。
6巻49話での杉元の質問に対する「わからない」は、離れている間にウイルクに何があったのか「わからない」と読めるし、
金塊の行方を「最後まで見届けたい」もなんか…なんか(何)
でも「俺たちがマレクと呼んでる…」とか言ってるしなんだろう、よくわかりません。

何が言いたいかってキロちゃんて革命という信念一本で生きている人だから無駄な殺生はしないわけですけど、
その延長でもしかして余計な嘘はつかないとかそんなルールを持っていたら最高にかっこいいなと思ったのでした。


おわります。


前回のキロちゃんの記事はこちら↓
mochikuchen.hatenablog.com

【本誌ネタバレ】178話、179話感想(後編:考察(鶴見中尉について))

ちょっと…言葉がありません。
この過去編、キロランケのかと思いきやまさかの鶴見中尉のだったとは…本当に、驚いたの一言です…。長谷川さんじゃなかった鶴見さんだった…。
本誌177話の本編最初のページの右上の小さなアオリが
「誰が為の追憶か。」
だったんですが、アオリも伏線だったんですね…。

てことで、キロランケと鶴見中尉は何十年も前に会っている、鶴見中尉にとっては因縁の相手だったということがわかりました。
確かにキロちゃんと鶴見中尉は一度も出会ってないんです。それがこんなことになるとは…。
そして「ロシア政府から漏れてきたある情報」が金塊のことだとすると、ウイルクはこの時代からその糸口はつかんでいたんですね。
だとしたら鶴見中尉もそうかもしれないなと。こんなに前からじわじわと金塊争奪戦を繰り広げていたのかと。感嘆しかないですね。


今回で解けた謎がたくさんありましたがその一つが、どうして鶴見中尉は先遣隊を追おうともせず北海道でのんびりしているのかということ。
それはキロランケがどうやって日本に入りどのような生活を送っていたのか、という過去の動向も、現在何をしようとしているの動向もすべて知っているからなんですね。
鶴見中尉は焦る必要がない。というか今持ってる刺青の暗号が解ければそれでゴールなわけですし。
もしかしてもう解いてるんじゃないかと思えてきてしまいますね。


さて、今回のこの話、一体何年の話?って疑問がありますね。
(そもそもゴールデンカムイ自体が何年のこと?って疑問はありますが、筆者は1907~1908年くらいかな?と思ってます。)
177話でのキロちゃんの台詞「皇帝暗殺から十年以上の逃亡生活…」その「十年以上」が十一年くらいなのか十六年くらいなのかで全然時系列が違います。
つまり、この話は日清戦争前なのか後なのか…てことで鶴見中尉の人生年表2パターン考えてみました。
これはまだ確定版ではないのでふ~んくらいに見てください。全然違う可能性あります。再来週直すかもしれませんし。


【パターン①・この話は日清戦争前】
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今週号のアオリが「反逆の情報将校 その原点」だったので、原点といえば鶴見中尉の若いころの話かなぁと思うのですがどうでしょう。
そしてこのパターンだと、キロランケやウイルクの動向を追うため&金塊のために北海道に転属にしてもらった?…全部「鶴見劇場」のシナリオ通り?
(あと、これなら樺太サーカスの山田座長は上司だったりすることもありえるのか。それか178話でキロちゃんが言ってた「長谷川さんの情報をリークした他のスパイ」は山田座長かも?なんて…。音之進の写真キャラはここへの伏線だったり…しないかしら。だったら面白いですよね。)


【パターン②・この話は日清戦争後(月島軍曹も同行してる)】
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なんてのも考えましたが…でもこれだと、鶴見さんがロシアに渡って結婚するまでやアシリパさん誕生までの時間が飛ぶように過ぎていることになります…
奥さんのことも騙していたことを考えると無理があるかなと。
キロランケの話によれば『長谷川さん』は10代の頃にロシアにきて地元の女性と結婚したことになっていたので、
その話は結婚まで2,3年くらいないと地元の信用が得られないのではないかなと。
10代とまではいかずとも22歳くらいにはロシア入りしないと成り立たないような気がします。

そして鶴見中尉が月島軍曹に目をつけたのは、ロシア語を知らないフリをする必要があったから、ロシア語の通訳として信頼できる部下がほしかったからなのかなとも思います。


ということでパターン①かなぁと今はなんとなく考えています。
その場合、177話感想で言ってたトンデモな「アシリパさんの母親はソフィア説」はなくなりましたね。書いたあと正直、まあそうかなと思っていました。(本当に思いつきブログなので信じないでください。)


なんにしても鶴見中尉ですね…こんなに重たい過去を背負っていたとは…。
ちょっと中尉とその周りの人々について考えてみました。

まず、仕事で潜伏するためとは言え、家族をまったく愛していなかったということはないと思います。
子どもの亡骸の手を愛しそうに触れ、二人の亡骸をきれいにして、丁寧に送っている。妻の小指を切り取ったのは遺骨を手元に置くため。
それで愛情がなかったわけはないと思いたいです。
(子供をあんなにずっと、日本語教えながら抱っこして…稲妻強盗の子供を抱っこしていた時、何を思ったんでしょうか。)

鶴見中尉は妻に「私が行くまで実家に隠れていなさい」と言っていたことから、鶴見中尉としてはもう迎えにはいかず、おそらくそのまま消えようと思っていたと思います。
自分はどこかへ消えるけど、妻と子はロシアの地で無事に暮らす、というのが鶴見中尉の考えたシナリオだったわけです。
でも、キロたち三人のせいで妻と子供は死んでしまった。
この三人が訪ねてきたこと、日本語を教えてほしいとしばらく滞在したことが鶴見中尉にとって最大の誤算で、その誤算のために妻子が死んだわけですから、鶴見中尉にとっては許しがたい相手だろう…と思うのです。
愛した妻子の元を去ろうと思っていたとは言え、どこかで妻子が生きていることと目の前で死んでしまったとでは別離の意味が天と地ほど違いますよね。

この事件は鶴見中尉を狂ったように走らせる理由の一つになっていると思います。
実家も没落し、妻子の死も目の当たりにし、もはや失うものは何もないわけですから。
(燃える家を背にして去る場面は、杉元の時と同じ構図。
杉元も失うものはなかった状態から、親友との約束とアシリパさんとの出逢いによって、少しずつ人間になっているのかなと。対して中尉は…と思うと切ないですね。
これから得てほしい。お願いだから。)


さて、原作時間軸に話を移して、鶴見中尉の周りにいる人々について。
今回のことではっきりしたのが、やはり鶴見中尉は親とか家族になんらかの問題があった若者を意図的に自分の小隊に集めているようなということです。
…というかそういう存在を見つけて懐柔するのが上手い?おそらく彼らの新しい「親」になるという発想で懐柔しているのではないかと思いますが…。
(もし家族に問題のある若者を集めているのだとしたら二階堂も?宇佐美も?とか思ったり…でも二階堂は帰る故郷があるので違うかも。)
杉元も、アシリパさんに出会ってなかったら鶴見中尉に懐柔されていた可能性が高いと思ってます。
勇作さんは家族に問題がなかったから懐柔しにくかった…とか?(疑問符ばかりで申し訳ない)

で、ここでちょっと考えてみたいのが鯉登少尉。(正直いつも考えています)
彼は父親は立派だし、家柄も立派だしでなんの問題もなさそうで…母親が死んでいるとかそんな感じかなぁとも思ってるんですが、なんで彼が鶴見中尉を崇拝しているのかまったくわかりません。謎です。
だから鯉登少尉にもすごく辛い過去があるか(でもそんな人が戦争行きたかった発言するかなぁ…?と思ってます)、もしくは鯉登パパが鶴見信者か、鯉登パパが黒幕なのか(これはないとしても)、はたまた単純明快な性格だから懐柔はちょろかったとか(笑)、色々考えてみましたが、多分ここに挙げた理由以外のとんでもない理由があるんだろうなと思っております。
むしろ鯉登少尉のエピソードのベクトルは過去ではなくて未来なのかな…とか思ってもいます。
アシリパさんと対になって、これからの時代を作る存在。「未来」と「進」の名前を持つ二人はそういう役目を持っていると思います。
そして、以前の記事( 【本誌ネタバレ含】いま再びの鯉登親子 - 漫画と北国とわたし )で書きましたがやっぱり彼にとっての巣立ちの通過儀礼の相手は「鶴見中尉」なのかな~と妄想しています。
鯉登少尉は未来を担うわけなので…でも過去があってもいいですね。


何が言いたいかよくわからなくなってきたのでちょっと尾形の話を。
なんとなく思うのが、恐らくなのですが、尾形は全部知ってるんじゃないでしょうか。
177話の尾形の顔、キロランケの語る長谷川さんが鶴見中尉だと知ってて聞いてる風に思えました。
そうだとすると鶴見中尉とキロランケの因縁を知っていて、鶴見中尉の因縁の相手であるキロランケと手を組んだわけですが、でもじゃあ尾形は何がしたいの?
キロランケといつから手を組んでいたの?
尾形、君はなんなの?
すべてを知っているのだとしたら、尾形はこれから最も重要な人物になってきますね。誰にとっても。

あまり関係ない話ですが、尾形初登場時なんでか一人で森の中にいましたよね。
あれってアシリパさんを探していたって可能性もなきにしもあらずなのかな~と思ってます。
鶴見中尉の因縁の相手の、子供にして金塊のてがかり。尾形はアシリパさんに何をしたいのか、どうするつもりなのか。
(尾形のことを考えると思考がループします。)



ほんとに…今週は本当にしばらく思考がストップするくらいの衝撃でした。


今思えば、164話の扉絵がですね鶴見中尉が高みからこちらを見下ろしていて、「鶴見の見物」というアオリがついていたんです。
本編と関係ない扉絵になんとなく「なんで今中尉???」だったんですが、あれは鶴見中尉は樺太の動向をすべて高みから見物しているという隠喩だったような気がしています。
情報将校の持つ情報は、底が知れない…。


そういえば梅ちゃんの縁談相手、鶴見中尉かもしれないですね。
40代の妻子を亡くした素敵な男性。(中尉本当に妻子亡くしてましたし。)


というわけで、次週は休載なので、次は再来週。
その間に少し気分転換に誰かの記事とかアニメ感想とかあげられたらいいな。


おわり。

【本誌ネタバレ】178話、179話感想(前編:あらすじ)

今回は長くなるので前編をあらすじに、後編をちょっとした考察にしたいと思います。
テンションは低めです…


【178話】
前回と引き続き、長谷川写真館で日本語を習う三人。
長谷川さんは維新の三傑の話を聞かせます。長谷川さんは三人が革命家だと分かっているので、妻を実家に逃がします。
「絶対に戻ってこないと約束してくれ」と言い聞かせて。

ウイルクはそろそろ日本に渡ってもいいと言いますが、ソフィアはまだ迷っていると。
キロランケは「あんたが「一緒に来てほしい」といえば彼女は来る」と。

後日また三人が長谷川写真館に行くと「もうここへ来てはいけない…いますぐ出ていきなさい」と長谷川さん。
秘密警察が訪ねてきます。応戦する三人。
一人を捕まえてウイルクが情報の出どころと仲間の有無など問いますが、秘密警察は「あんたたちは誰だ?」「我々は日本人を捕まえに来た」と言います。

長谷川さんは日本軍のスパイだった。
キロランケは「おおかた他のスパイがロシアの秘密警察に捕まって長谷川さんの情報を吐いたんだろう」と推測します。

二階へと促されるキロランケ。
長谷川さんが写真機の中に隠し持っていた銃器(ガトリングガン?)で外の秘密警察を撃ちます。
三人は写真館を包囲している警察を皆殺しにします。

が、ソフィアが最後に撃った人物は、長谷川さんの奥さんと子供。
奥さんは自分の旦那が日本軍のスパイであったとは夢にも思わず、落ちていた手配書を拾い、夫を案じて戻ってきていたのでした。


【179話】
ソフィアと長谷川さんが長谷川さんの奥さんに近づきます。
すでに死んでいるようで長谷川さんは「…だめだ」と。
長谷川さん「あなた達はもう行きなさい 少しでもここから遠くへ逃げなければならないはずだ」
ソフィアは泣きながら子供を抱いて長谷川さんを呼びますが長谷川さんは「早く 行きなさい」と、目を見開き三人とは目を合わせずただ妻を見つめて冷たく言い放ちます。

長谷川さんとはそれきりだったとアシリパさんに語るキロちゃん。


場所は再び亜港の海岸。
170話でキロちゃんが待っていたものは、流氷でした。
樺太島と大陸が繋がったから、流氷の上を歩いて大陸へ渡るとキロちゃんは話します。
キロちゃんは数十年前こうして大陸から樺太へ、そして北海道へと渡り、今度はその逆を行き、大陸に戻ろうとしている。


再び場面は過去へ。
「ロシア政府から漏れてきたある情報…北海道に渡って私たちは確かめにいく必要がある」と語るウイルク。
振り返るとソフィアが立っている。
ソフィアは自分を責め続けた結果、女としての幸せを放棄して、革命家としてロシアで生きていくと決意。
北海道にはいかず、愛するウイルクとは別離することを決めたと。
ここでキロランケ・ウイルクとソフィアは別離しました。


再び場面は亜港。
そもそも、ロシア正教の教えに敬虔なために、物言わない農奴になってしまった人民たちを救うことは難しい。
極東の少数民族たちが持つ危機感を理解した革命家たちは、少数民族たちと手を組もうと考えた。
少数民族たちもロシアの支配が自分たちに及ぶのを恐れている。

「俺たちのカムイが違うものにすり替わっていく」
「いずれ自分たちも文句を言わない敬虔な信者にされてしまう」
「だからウイルクと俺はソフィアたち革命家に加担した」

とキロランケはアシリパさんに語ります。
(キロランケが177話で語っていた「革命家を利用した」はそういうことだったのですね。
そして、「カムイ」という言葉を使うところが、アシリパさんに分かりやすいように語ってるように見えて、少しずつ彼女を洗脳しようとしているように思えます。)

ソフィアにはウイルクの死も手紙で伝えていました。


場面は再び、過去の長谷川写真館。
長谷川さんは妻を抱きしめ、妻は「コウイチ…」と呼びかけます。
長谷川さんは「わたしの名前は長谷川幸一ではないんだ…」と手をとって答えます。
妻「あなたは誰なの?」



「鶴見篤四郎」



息を引き取った妻と子供。
『長谷川さん』は子供を抱き上げてその手を取ります。
そして二人を写真館に寝かせ(ここで妻の小指をはありません。切り取ったのですね。)写真館に火を付けどこかへと去っていきます。



ここで終了。
次回ちょっと考えてみます。

【本誌ネタバレ】177話感想

今週の本誌感想です。
キロランケの過去が明らかに…!!

タイトルは『長谷川写真館』です。
今回は一気にあらすじ→感想という流れでいきます。


まず扉絵。
キロランケ、ウイルク、ソフィアの若い頃の三人の写真。写真は焦げています。
写真が入り口になってる過去編は月島さんの時もそうでしたね。
ウイルクとソフィアさんは手を繋いでいます。


本編。
ウラジオストク
タイトルの長谷川写真館の長谷川さんが写真を撮っています。
狼を見つけて写真を撮ろうとしますが、狼は逃げてしまいます。

帰宅し、妻と子供に挨拶するとお客さんがいる、と。
そのお客さんが、キロランケ、ウイルク、ソフィアの三人です。
三人は写真を撮ってもらいにきたのではないと、日本語を教えてほしい、とのこと。

ここで場面が樺太に戻り、キロランケ、アシリパ、白石、尾形に過去の話をしています。
(ここの話を聞く三人の顔がそれぞれ違っていてとてもいいです。アシリパさんは真摯に受け止めていて、白石は懐疑的な冷めた眼差し、尾形はまあ予定通り?な顔?(尾形は表情が読みにくいですね!))
キロちゃん曰く、近くの民家に潜伏しながら長谷川写真館に通ったと。
皇帝暗殺から10年以上の逃亡生活の後の束の間の穏やかな時間だったと。

また時間軸が過去に戻り、日本語を教わる三人。
キロちゃん「ワタシ デブ女…好き…デース」
それに対して長谷川さん
「フィリップさんはふくよかな女性が好みなんですねぇ?」
キロランケ含む三人は偽名を使っている模様。

ソフィアさん「ウンコ」。
長谷川さん「なんですか?ゾーヤさん、ダメですよ、失礼ですよ」
(ここ、今回の話のキーポイントになるような気がしています)

長谷川さんは妻に三人の印象を伝えます。物覚えがよい。ウイルクは恐ろしく頭がよいと。
そして長谷川さんの妻曰くソフィアは「日本に興味がない」。

場面は変わって沢にいるキロランケ、ウイルク、長谷川さん。
常に周囲を警戒する二人に不信感を持つ長谷川さん。
「あなた達はどこから来たんですか?」
「ゾーヤさんのような貴族階級の出身ではなさそうですね」

場面は再び樺太へ。
キロランケが話を続けます。
ソフィアたち革命家は、ロシアの近代化のために君主制を倒すべく農民の意識を変えようと、皇帝暗殺を実行したと。
白石は、キロランケとウイルクの目的は少数民族の独立のために戦っていたんじゃなかったのかと問います。
それに対してキロランケは「俺とウイルクはソフィアたち過激派組織を利用したんだ」と。

最終ページ、長谷川さんがキロランケとウイルクの手配書を持っているシーンで終了。


今回からいよいよキロランケの過去でしたね。
ようやく!!待ってました!!!

まず思ったのが、扉絵。
どうしてウイルクとソフィアさんは手をつないでいるのでしょうか。
そして、ソフィアさんの「ウンコ」…え、なんかこれ、アシリパさん?と思ったのですが…。
いたずらっこな顔も、凛々しい雰囲気も、ソフィアさんはアシリパさんに似ているような気がしてきました。

もしかしてアシリパさんの母親ってソフィアさん?などと思ったのですがどうなんでしょう。
だとしたら、ウイルクが、アイヌの知識をインカラマッに教えてもらったことをアシリパさんに隠していたことの説明がつきますよね。
インカラマッの存在を話すとややこしくなりますもんね。ウイルクはアシリパのさんのお母さん(とされている女性)に全部教わったことにしたいんですものね。

そして、稲妻強盗とお銀の子どもがフチに預けられたところで、アイヌは捨て子をみんなで育てる習慣があると。
つまり、アイヌの子供ではないアシリパさんをコタン全体が受け入れたという可能性がありますよね。
流れとしてはこんな感じでしょうか。

ソフィアさんと恋仲だったウイルクは、この後ソフィアさんと別れる(ソフィアさん日本に興味なかったし…)

ウイルク北海道に渡る(その後インカラマッと旅する)

ウイルク結婚

別れた時すでに妊娠していたソフィアさんはアシリパさんを産み、ウイルクに預けに来るorウイルクが迎えにいく

コタン全体でウイルクとアシリパさんの母親(とされている女性)の子供としてアシリパを育てる

とか?(話半分に聞いてくださいね)
アシリパさんの母親がまったくでてこないのが気になっていたので、もしこうだとしたら納得がいくよな~とか思ったり…。
あとアチャボ&オソマアシリパの顔がまったく似てないのも気になっていたし…とか思ったりしています。


それから、キロランケの「過激派組織を利用していた」発言。
これもよくわからないんですが、結局キロランケとウイルクはどこからきたんでしょう?
どうやって利用したんでしょうか?
そもそも、今これからも利用しようとしているんですよね?
もしかして、ソフィアさんだけが監獄にいるのもキロランケとウイルクの策だったりするんでしょうか?
こわい…さすが…。


なんにしても、来週読まないとわからないですね!!
来週楽しみです。


あと、キロランケは非常に顔がいいですね!!!

【本誌ネタバレ】176話感想

本誌感想です。

あ、あの、やば・・・やばい・・・・やばい・・・・・またお祭りが・・・


…こんなテンションで書いていきます。語彙力は失われていますし気持ち悪いですよ。(それはいつも)



本編、
関谷の最後。
関谷はずっと神に裁かれたかった。
門倉さんは関谷の殺しについて、自分の信仰心と娘の理不尽な死に折り合いをつけようとしていたと語ります。
「「娘の死は自分に対する神の罰であるはずだ」ってね…」
殺されかけているのに関谷の内面を理解しようとする門倉さんに対し、
土方さんは「私は現世にしか興味はない」と。

ここの二人の会話、すっごくなんというか…くるものがありますね。(語彙力)
門倉さんは、看守をやっていたからか囚人というか人に対して向き合うというか、その人物を見極める力がありますよね。
対して土方さんは他人に興味がない。
というか脇目も降らず自分の役目と信じて疑わない「理想」に突き進んでいる。
土方さんて多分黙っていても人は集まってくることを知っているんだと思います。
心の内にくすぶっている何かを持っているものは、理想に突き進む先導者を欲していることを知っている。(門倉さんが土方さんに心酔しているのもこのあたりが理由なのかなと思ったり…)
それはかつて壬生浪士組(後の新選組)に志願した自分がそうだったわけだし、新選組を作り上げた後に志願してくる数多の若者がそうだったわけですからね。
そして集った人が離れるなら離れるで構わないが、その落とし前はつけるというやり方。

それと対称的だなと思うのが鶴見中尉で、鶴見中尉は土方さんよりずっと新しい人間で、人の心を自らの手でつかむことはもちろん、離さないことに重きを置いているような気がします。
奉天で月島さんを試したのも、本当に自分から離れないか試すためだったように思えますし。
黙っていても人が集まると思っている土方さんと、自分から人の心を掴んで離さない鶴見中尉。

ラスボス候補のこの二人、考えれば考えれるほど面白いですね。そしてちゃんと理解できる気がしないのもこの二人…。


さて、土方一派の話は終わり、場面は変わります。
先遣隊に!!!!!!
あああああ鯉登少尉…!!

杉元たち、アンマーたちの親戚の村へ。
アシリパさんたちに近づいたことに顔を緩ませる杉元。
杉元は本当にアシリパさんの話をする時だけ目に光が宿りますね。

で、なぜか一人離れたところにいる鯉登少尉…「小さいトナカイがいた」「小さいトナカイがいた」「小さいトナカイがいた」…(リフレイン)

ちょっと!!成人男性ですよね?20歳すぎてますよね?少尉ですよね?なんで、そんなにかわいいの!!!!
…なんというか、鯉登少尉は自分の感情に素直に従っているところが本当に良いところですね。
何をするにも基準が自分の中にしかないというか。
犬橇雇うのも、灯台でのうろちょろも、尾形への大嫌い発言も、他人がどうとか協調性がどうとか(軍人なのでもちろん規律や足並みは揃えているし強力はしますが)
そんなの関係なく自分の基準を持っている。すごく強いぞ少尉 。
人のために動くことに重きを置いている杉元や源次郎や軍曹とはまた違う人というか、だから浮いているというか。(浮いているのは彼の行動が子供っぽいからというのが大きな理由ですが)
人のためと言えば鯉登少尉も鶴見中尉のために動いているわけですが、月島軍曹と比較すると少し違って見えます。
鯉登少尉の「鶴見中尉のため」は月島軍曹のような「滅私」によるものではなくて、あくまで「自分ありき」な上の「鶴見中尉のため」に見えるというかなんというか…
いやぁまぶしいですね!!

次のコマでは杉元に「少尉殿にトナカイの首輪つけておいたらどうだ」と言われて
「まったく杉元は嫌味な男だな?月島」とか言ってるけど、軍曹は首輪ガン見。

もう~~~~先遣隊のこの男子校的なノリが大好きです。
あとやっぱり鯉登少尉は杉元のこと認めている感じがします。
というか、鯉登少尉って自分は少尉だぞ的な、偉そうな態度をとらないですね。
杉元や軍曹が結構失礼な態度でも許容しているというか。
階級が上の人ってそういう態度とりがちだと思うんですけど、鯉登少尉はお馬鹿で子どもでボンボンだけど、階級に物言わせる態度は見ないような…?
やっぱり自分の中の基準があって、それに従って進んでいる人だからでしょうか。
そういう人って土方さんみたいに、自然と人が集まってくると思うんです。天性で人を惹きつける強さがある先導者タイプ。
だから鯉登少尉はどちらかと言えば土方さんタイプかな~なんて思いました。武士タイプ。剣士ですしね。
先週感想の最後に土方さんと鯉登少尉が似たタイプかもと語りましたが、ここでも類似点があるかも?と思いました。
鯉登少尉、強運だし、チートかよ(笑)
立派な指揮官になる未来しか見えませんね!!!


さて、話は戻って天幕の中。
なぞの置物。
なんでしょうねこれ。
きっと他の方が考察とかしてくださっていると思うんですが、ここではしません!(笑)


さてさて、また場面は変わり、キロランケ一行へ。
牛乳文通を続けるソフィアさんとキロ。
白石はここでも大活躍。すごいな白石。
脱獄の手助けをする真の目的について言及。
白石「危険に対して収穫が釣り合わないんじゃねぇの?」
キロちゃんに協力を惜しまないのに、この台詞。
冷静ですね!やっぱりアシリパさんを守る役目を感じているのか…
そして、尾形!!!!
しゃべれ!!!!
なんかしゃべってくれ…!!

尾形は白石とアシリパさんには言われていないキロちゃんの目的を知ってる男なのでこの顔なのか…
ていうか、キロちゃん革命以外にきっと何かしらあって、尾形も何かしらあって(雑)、そこで手を組んでると思うので…

尾形!!!
しゃべって!!!!



今週はここまで。
いよいよ杉元一行がキロちゃんたちに追い付きそうですね、
わーー楽しみだ!!!


にしてもわたし鯉登少尉のこと好きすぎない?
尾形も大好きなのに…でも尾形何考えてるか分からなさすぎて…じっくり考えたいんですが…その…(フェードアウト)

キロちゃんは相変わらず顔がいい。超好き。


おわれ。

【本誌ネタバレ】175話感想

まさかの一週間遅れの本誌感想です。
せっかくなので(?)二週分連続であげます。


わあああああい!!!
土方さん、復☆活!!!!!
あぁかっこいい。


というわけで、まず扉絵。
繭の中の門倉さん。
…これは、内容を示唆しているのか、あの、下ネタ的なことなのか、何かのパロディーなのか。
わかりませんが、とりあえず今週も笑える回なのかなということはなんとなくわかりましたね。


本編。
牛山さんも復活!!!
まず湖から牛山さんを救出します。
毒を飲んだ話は嘘でしたね(笑)女郎に騙されたとか…牛山さんは通常営業(笑)
牛山さんのポケットからでてきた蚕の繭によって、場所を絞りだすキラウシ。
キラウシめちゃめちゃ有能ですね。とても頭がいい。判断が早い。猟をしてきたからでしょうか。

で、門倉さんが走っていった先に関谷が。
関谷は門倉さんに取引を持ちかけます。
ロシアンルーレット
門倉さんが毒の繭を飲めば関谷が土方さんを助けにいく、関谷が毒を飲めば土方さんの居場所を教える。
凶運により、毒の繭を飲んでしまう門倉さん。
門倉さん「お供できるのはここまでです…」
と言いつつこぼれた他の毒を口にいれる。

門倉さんの土方さんへの忠誠心、ほんっとに泣けます…。
そこまで門倉さんを突き動かすものは何なのでしょうか。

そして関谷の過去語り。
娘を雷で理不尽に亡くし、そこから神を信じられなくなって、揺らいで揺らいで、人を運命に委ねるような殺しを繰り返すようになったと。
ゴールデンカムイを深い作品にしてる要素のひとつが「揺らぎ」だと思うのですが、関谷もそのタイプでしたか。
主人公杉元を筆頭に揺らいでいるキャラは深いですね…


土方さんの棺をあける関谷。

と、土方さんが!!!

一閃!!!!!

土方さんは自分が何の毒を飲んだのか把握して、その毒を打ち消す毒を飲み、正に毒を以て毒を制すをやってのけたわけです。
土方さん「薬売りをやっていた経験が役に立ったな」

薬売り…!!!!石田散薬!!!(声にならない感情)
あぁもうこの経験値桁違い、頭のよさ桁違い、財力桁違い、イケメンさ桁違いな土方さんがすごくすごく大好きです!!!

対して門倉さん。適当に追加で飲んだ毒が解毒剤となった。
経験ではなく、強運で。
ケロリとする門倉さん。
門倉さんのこの引きの強さはやっぱり、ものすごい強みになると思います!!!
人智を越えた「運」を味方につけている人はやっぱり強い。


今週はここまで!


やーおもしろかった!!
にしても土方さんは躊躇なく人をばっさばっさ殺すところがいいですね。
鯉登少尉もきっとそのタイプ。
血の気がすごい。


おわりもす。

【本誌ネタバレ】174話感想

1日遅れましたが、本誌感想いきます!!!
今回もめちゃくちゃ笑いました。
ついに門倉さんが…!!!



さて、まずは扉絵。
走る門倉さんとキラウシニシパ。

本編最初のコマは、扉の続きで二人の漫才(笑)
走れない門倉さんにキラウシ「ん…ジジイ~!!」
しかも言い争ってる(笑)
キラウシ「肛門ほじりジジイ」て…キラウシはアイヌだからちょっと日本語が苦手で、だからこの二人の言い争いが小学校みたいで非常にかわいいです。
門倉さんは和人だけど。
てかキラウシもおじさんだけど。


場面変わって、フィギュアスケートの少年と牛山さん。
少年は殺そうとしてます。


また場面変わって門倉さんが関谷と取引。湖の上です。
で、服を脱ぐように関谷が門倉さんに迫る。
門倉さん、脱ぎました…!!!
金カムあるあるの、裸見せるときは絶対にカメラ目線でちょっと微笑むやつ、あれを門倉さんがやりました!!
もう~笑いましたね。門倉さんここへきて大活躍ですねいろんな意味で(笑)

門倉さんと関谷との会話。
キラウシとの連携を関谷は見通しているようです。門倉さんが隠し持ってるマキリにも気づいてる。
(このマキリをキラウシが貸すシーンも笑いました(笑))

で、関谷は門倉さんに問いかけます。
「神様って本当にいるのかね?」

このセリフがこれまでぼんやりとだった関谷のパーソナリティーを浮き彫りにしましたね。
関谷は運で人を選別してきたわけですが、それは神様がいるのか確かめたかったがための行動だったのですね。
関谷がどんな生い立ちだったのか想像もできませんが、恐らく不幸だったろうなと。
そして、だからここに「凶運」の門倉さんをぶつけてきたんだなぁと思いました。
門倉さんこそずっとついてなかった人で、それこそ神様なんて…と思ったこともあったかもしれない。でも門倉さんは真っ当に自分の役目を見つけて明るく力抜いて生きています。
それに対して関谷は世の中を呪うようなことばかりしている。
正に関谷が陰で、門倉さんが陽なんだなぁと思いました。

凶運の門倉さんが関谷をどう追い詰めるのか、救うのか、本当に楽しみになってきましたね!!


場面、少年と牛山さんに戻りました。
少年は干しももを餌に牛山さんを湖に落とします。


また場面変わって門倉さんとキラウシ。
関谷には逃げられますが、これはキラウシの作戦。わざと逃がして後を追って土方さんと牛山さんの居場所を探るとのこと。
…だったんですが、湖から牛山さんが顔を出してしまったので関谷は驚いて方向転換します。
作戦は失敗。

今週はここまで。


最後、ここでも門倉さんは凶運ですね。
でもきっとこれがまたいい方向に進む気がして仕方ありません。
牛山さんも正気に戻ったし、きっとうまくいくはず!と希望を持ちつつ読みました。

今週はなんと言ってもキラウシと門倉さんの小学校レベルの言い争いと門倉さんが脱いだところが笑いました。
小ネタもたくさんあって笑いどころ満載でしたね!!!

次週も楽しみに。


そういえば、今週号は鯉登少尉の鶴見注意とのクソコラブロマイドが付録でした(笑)
三号連続らしいです。
なぜこの付録?と思いつつ笑えるので企画の担当者さんに拍手を送りたいです!!